待ちに待った第一便が到着しました。一人一人に届けられた荷物の中身は、もちろん秘密です。それでも、気になりますよね?では、『初荷』に一体なにが入っていたのか、特別にお教えいたしましょう。初荷は、しらせのヘリコプターがそのシーズン初めて昭和基地に降り立つ時に、私達が受け取る荷物です。第55次隊がどの荷物を初荷にするかを決めて、しらせ乗員の方々が、紅白のカラーリングできれいにラッピングして下さるのが慣わしです。
第一便が到着したこの日の夕食後、いつものように食器洗い当番の隊員は厨房の片付けを、その他の隊員はしばらくの間、食堂に残ってお茶やビールを片手に、おしゃべりをしていましたので、この時にみなで集まり、初荷を開きました。段ボール箱の上部を開けると、ビックリ箱のように中から高さ1mくらいの段ボール製のタワーが飛び出してきました。南極観測隊で使用している段ボール箱は、とても丈夫で繰り返し使えます。野外観測では、カッターで切って、適当なサイズのちょっとした物入れや、日除けなどを作ることもあり、いろいろな用途に使える優れものです。まさか、このようなオブジェになろうとは思ってもみませんでした。力作です。そして、なんと、昨夏、一緒に暮らした夏隊メンバーの手書きのメッセージが貼り付けてあったのです。ちょうど10か月前、最終便で昭和基地を去っていた夏隊メンバーからの心のこもった励ましの数々に、しばし見入ったのは言うまでもありません。
夏隊のみなさん、本当にありがとうございました!
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