Arctic Environment Research Center

公開講演会「遠くて近い北極 ―ここまでわかった温暖化―」開催

北極環境研究コンソーシアム及び国立極地研究所主催で公開講演会「遠くて近い北極 ―ここまでわかった温暖化―」を2014年3月15日(土)池袋の自由学園明日館講堂で開催しました。

応募者・関係者を含め約160名が参加しましたが文部科学省からは清浦海洋地球課長及び佐々木課長補佐にご臨席頂き、外務省からは國方北極担当大使にご参加頂きました。その他、報道関係者から主婦や学生まで、北極の温暖化に関心の高い幅広い層からの参加がありました。

NHK解説委員・室山哲也氏の司会による講演は、榎本浩之氏(JCAR委員長:国立極地研究所教授)による全体紹介から始まり、4人の講演者が個別にこれまでにわかってきた研究成果について講演しました。

最初に三谷曜子氏(研究課題6:北海道大学准教授)が冷たい海洋の変化についてコククジラの分布とその餌となる底生生物の分布の変化を紹介しましたが、講演中には音響モニタリングで捉えた鰭脚類や鯨類の鳴き声も紹介されました。次にグリーンランド氷床・氷河の融解原因とその加速状況が進んでることについて杉山慎氏(研究課題4:北海道大学准教授)から報告があり、森本真司氏(研究課題5:東北大学教授)には南極と北極のデータ比較からわかってきた全球的な温室効果気体の変化について話をして頂きました。最後に浮田甚郎氏(研究課題3:新潟大学教授)が参加の暮らしにも直結する日本への影響について講演を行いました。

第二部では講演者5人を交え、会場から集まった質問に答える形でパネルディスカッションを行いましたが、地球規模の温暖化とはどういうサイクルなのか、近年の異常気象に対する知見はどうなのかなど多数の質問が寄せられ、本講演会を通して北極研究の理解を深めて頂けるよい機会となりました。

清浦海洋地球課長ご挨拶

会場の様子

第二部のディスカッション

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