Arctic Environment Research Center

日本・ノルウェー共同教育プログラムJANATEX(Japanese and Norwegian Arctic-Alpine Terrestrial plant Ecology eXchange)におけるノルウェー・アルタ近郊での野外実習実施報告

2018年9月21日

実施日:2018年8月31日〜9月8日
場所:ノルウェー・アルタ近郊

JANATEXはNorwegian Centre for International Cooperation in EducationのHigh North Programmeから予算を得て実施している日本・ノルウェーの修士課程の学生を対象にした北極・高山の植物生態学のコースです。日本では、修士課程以外にも学部4年生や博士課程の学生の方も対象としています。予算はノルウェーの北極大学が管理しており、同大学のエリザベス・クーパー教授と国立極地研究所の内田雅己がコースの運営に携わっています。

この度、8月31日~9月8日にノルウェー北極のアルタ近郊のツンドラ生態系で野外実習を実施しました。日本からは東京大学、北海道大学、富山大学、横浜国立大学から計5名の学生、韓国からはソウル大学、亜州大学から各1名、そしてノルウェー北極大学からは3名、計10名の参加がありました。

初日は実習内容の座学ののち、2人1組、計5班に分かれ、それぞれに実習期間中の課題が出されました。その後アルタの沿岸域での植生の調査を実施したのち、内陸のJotkaに移動し、異なる母岩や地形、草食動物の影響の有無のあるところなどで同様の植生調査を行いました。昼は主に調査、夜は学生や研究者による研究・文化やコースの課題の一つであるエッセイの発表が行われました。実習の後半にはデータ入力・解析を行い、各グループによる発表が行われました。実習期間中の使用言語は英語でした。今回初めて海外に来たという学生の方も積極的に英語でのコミュニケーションや議論に参加していました。また、サーミの方による文化紹介や彼らの伝統的なトナカイや北極イワナの食事、また北欧には欠かせないサウナの体験やオーロラを見ることもでき、非常に充実した時間を過ごすことができました。

最終日には学生によるコースの内容に関するアンケートに答えて頂き、今後のプログラム改善のための貴重な情報を提供して頂きました。今回野外実習をオーガナイズしたクーパー教授および実習をサポートして頂いたスタッフに感謝するとともに、参加した日本人学生の今後の研究等に今回の経験が役に立てれば幸いです。(報告:内田雅己)

植生調査の様子

野外での議論

野外実習へ向け移動しているところ

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