ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

北極評議会SDWGイナリ会合

2017年9月21~22日にかけてフィンランドのラップランド地方イナリで北極評議会の「持続可能な開発作業部会」(SDWG)の定例会合が開催されました。

イナリは、先住民であるサーミの人たちが伝統的に暮らしてきた町として知られています。今回の会合はサーミ議会の本会議場で開かれ、北極諸国8か国、6つの先住民団体、7つのオブザーバー国及びオブザーバー機関10団体が参加しました。筆者は日本代表として参加しました。


会場のサーミ議会


会議の様子

本会合は、米国からフィンランドに北極評議会の議長国が交代してから最初の定例会合で、2017-19年のワークプランの下で実施されているSDWGのプロジェクトの実施状況が報告されました。また、SDWGの活動のアウトリーチの方法についての話し合いがもたれました。また、サイドイベントとしてサーミ教育センターを視察しました。消えつつあるサーミ諸語(サーミ諸語にはイナリ・サーミ語、北サーミ語、スコルト・サーミ語)の復活にむけた取り組みとしてサーミ語保育園についての報告がとても興味深いものでした。次のリンクはサーミ語保育園の様子です。http://www.endangeredlanguages.com/lang/3431/samples/6746

今回の会合で心に残ったのは、今や珍しくありませんが、環境配慮型の会議運営が徹底されており、ペーパーレス、徒歩移動だったことです。このお陰で、宿泊施設と会場の往来の途中、スカンジナビア半島の紅葉を楽しむことが出来ました。

大西富士夫(北海道大学/テーマ7実施担当者)