ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

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地球大気は主に、対流圏・成層圏・中間圏・熱圏の4つの層に分けることができます。我々の生活に大きく関係しているのは、大気最下部の対流圏です。この対流圏では雨などの身近な気象現象が起きており、我々も対流圏に住んでいます。一方で、対流圏より上の3つの層(成層圏・中間圏・熱圏)も対流圏の状態を決めるのに重要な役割を果たしており、気候を予想する上で重要であることがわかっています。我々は、これらの4つの層間の運動量やエネルギーなどのやり取りを「大気上下結合」と呼んでいます。この大気上下結合は、大気波動と呼ばれる”波”によって行われていることがわかっています。本研究では特に大気波動の中でも、比較的小さな現象である大気重力波を研究しました。

レイキャビクで毎年60余国から2千人以上を迎え開催されるArctic Circle Assembly。今回は、日本セッションにゲスト参加するサハ共和国研究者のサポートと、渡り鳥保全に関する打ち合わせのため、ArCS北極関連会合専門家派遣枠で派遣していただきました。

アラスカ大学フェアバンクス校国際北極圏研究センター(UAF/IARC)に滞在し、衛星データを用いてリード分布の時空間変動を評価する研究を行いました。公表できる範囲が限られているので簡易的になってしまいましたが、滞在中の研究内容については報告書をご覧いただければ幸いです。

1st Southern Hemisphere Conference on Permafrost(SouthCOP2019)は永久凍土に関する国際会議で2019124日~14日の11日間に亘りニュージーランドのクイーンズタウンにて開催されました。クイーンズタウンは背の高い山々とワカティプ湖に囲まれた自然豊かな町で、会議の前後には周辺の自然環境を対象として野外巡検が催されました。

私は、2019年度ArCS若手研究者海外派遣事業の支援を受け、ドイツのポツダムにあるアルフレッドウェゲナー研究所(AWI)に20191127日から1222日まで滞在しました。この派遣では、北極海用の高解像度大気モデルを開発するプロジェクト「Arctic-CORDEX」で開発されたモデルの性能を調べるため、「Arctic-CORDEX」の取りまとめであるAWIRinke博士を訪問しました。

2019年127日から1212日までスペイン、バルセロナで行われたWMMC’19(世界海棲哺乳類学会)に参加しました。9日午後と11日午前のポスターセッションで発表を行い、ワークショップと口頭発表、スピードトークに参加しました。話題提供のほか、グループディスカッションもありました。

ArCS若手研究者海外派遣支援事業では202035日(木)、一橋講堂にて2019年度若手成果発表会「Capacity Building of Young Researchers in Arctic study」を開催予定でしたが、折からの新型コロナウィルス感染の拡大により、中止とさせていただきました。