ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

平成29年度若手研究者海外派遣報告:ヤクーツクでの研究報告

  1. 研究

滞在先である北東連邦大学の、照明設備改善による二酸化炭素排出削減効果に着目した研究をおよそ40日間の日程で行いました。受け入れ教員であるTuyara先生から熱心なご指導を頂くことができました。また北東連邦大学にて照明設備の効率化を実施している現地企業AMTEK+のディレクターであるピョートル様からは、惜しみの無いデータの提供や週1回ペースでのミーティングなど多大なご協力を賜ることができました。研究の設備に関しても大変恵まれていました。大学の設備であるArctic Innovation Centerには北海道大学と北東連邦大学の共同研究室が設置されており、Wi-Fiや暖房、十分なスペースが確保されていました。朝から夜まで長い時間利用が可能であった点も幸いでした。こうした恵まれた環境のおかげで、満足のいく研究を行うことができました。

今回の調査により、北東連邦大学の一部にて実施された照明設備の改善による年間電気料金削減の効果が明らかになりました。また二酸化炭素の排出削減効果を評価するために必要となる情報を一通り揃えることができました。今後はこのデータを利用し、二酸化炭素の排出削減効果を明らかにしていく予定です。

  1. ヤクーツクについて

ヤクーツクを紹介いたしますと、「世界で最も寒い都市」と言われる町です。ヤクーツクがあるサハ共和国の中には、南極を除いた最低気温記録を保持するオイミャコンも位置しています。日本人に関しては旅行者すら未だに少ない地域ですが、近年は日本人向けのツアーなども用意されつつあり、渡航への道が開かれつつあるようです。そんなヤクーツクですが、滞在は今回が2回目でした。そのため生活環境は熟知しており、食事や寮設備、気温など(11月半ばでマイナス20度からマイナス30度)特に問題なく過ごすことができました。 

全体として、大変充実した滞在を送ることができました。昨年の交換留学が終了した段階で、まさかもう一度ヤクーツクに滞在することができるとは全く思っていませんでした。大変貴重な経験と研究の機会を与えてくださったArCSに深く感謝をすると共に、報告を締めさせて頂きます。

山中 遼(北海道大学)


情報を提供してくださったAMTEK+のディレクター、ピョートル様とイノベーションセンター内にて


Arctic innovation center の外観