ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

2018年夏の北極海氷予報を出しました

2018年夏の北極海氷分布予報を公開中です。

http://ccsr.aori.u-tokyo.ac.jp/~kimura_n/arctic/2018.html

第一報と第二報はそれぞれ5月と6月に公開し、7月1日から9月末までの海氷分布予測を掲載しました。今年9月の最小海氷面積は、昨年の最小面積とほぼ同じ約470万平方メートルになる見込みです。

7月31日に公開した第三報では、海氷分布に加えて多年氷の分布予測を行いました。多年氷とは夏を越えて翌年まで残った氷で、その分布は船舶の航行の障害になる厚い氷の存在を知る指標になります。この予測は毎日の多年氷分布データセットを新たに作成し、それをもちいて行いました。これらの解析には地球観測衛星に搭載された日本のマイクロ波放射計AMSR-EとAMSR2による観測データを使用しています。

予測された海氷と多年氷の分布は、上記ウェブサイトのほか北極域データアーカイブシステム(ADS)のVISHOP(https://ads.nipr.ac.jp/vishop/)でも見ることができます。このあと、8月末には秋から冬にかけての海氷分布予報を公開する予定です。

近年、北極海は貨物船の航路としても利用されるようになってきました。安全で効率的な北極海の利用に役立つよう、今後も新たな予測に取り組んでいきます。

木村詞明(東京大学)/テーマ5実施担当者


今年9月11日の海氷域と多年氷分布予測図