ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

日本科学未来館でのトークセッション「ARCTIC LIFE ~極北の狩人と雪氷学者を囲んで」の開催

2019年2月23日に、東京の日本科学未来館にて、グリーンランド在住の猟師大島トク氏を招き、トークセッション「ARCTIC LIFE ~極北の狩人と雪氷学者を囲んで」を開催しました。大島トク氏は、私達のグリーンランドでの研究を長年サポートしている現地の協力者です。本イベントは、現在の北極の環境と、そこに暮らす人々の文化・生活、北極域の重要性について、一般市民の理解を深めることを目的として行われました。当日は、私達の予想を大きく上回る3歳から70代までの39人が参加され、とても賑やかなイベントとなりました。

イベント中盤では、参加者は大島氏がグリーンランドから持参したアザラシの毛革を使って、キーホルダーづくりを行いました。参加者からは、想像していたよりも革が柔らかく扱いやすいとの声や、普段はどのようにして革を鞣しているのかといった質問が出ており、参加者らは初めて触る本物の毛革を通して北極に暮らす人々の文化を体感していたように思います。また、大島氏が作成した、シロクマの爪から作られたアクセサリーやホッキョクギツネの毛革を使った手袋、犬ぞりのムチなどの伝統工芸品も多数展示し、参加者は珍しそうに、それぞれ手にとりながら北極での生活について語り合いました。

浅地 泉(北海道大学)


講演者の大島トク氏(左)と杉山慎氏(右)


アザラシの革を手にとって、キーホルダーを作る参加者たち


参加者らの作品にキーリングの穴をあける大島氏


車座になって講演者を囲んでの質疑応答