北西航路観測チーム 観測便り

バフィン湾からランカスター海峡に入る(2012.7.24〜26)

現在地:カナダ・ランカスター海峡(北緯74度12分、西経84度33分)

チームメンバー:山口一(東京大学)、柴田啓貴(北見工大)

7月26日18:13(22:13UTC)氷山。北緯74度12分、西経81度28分。
船からの距離481m。水面からの高さ53m、水面での幅192m。

船が大きく揺れたのは7月22日までで、それ以降は揺れも少なく、穏やかな航海になっている。船はカナダとグリーンランドの間にあるバフィン湾を北上し、北端の少し手前で西に舵を切り、ランカスター海峡に入った。途中、氷山は幾つもあったが、バフィン湾では海氷に出会わなかった。船は立派な氷山の近くを通るとき、止まって写真撮影の時間を設けたりしてくれている。

船に取り付けた海水飛沫計、動揺計のデータ管理作業にも慣れて来た。一方、EMとPMRという、組み立てが必要な計測器の作業を、氷海に入るタイミングを考えつつ行った。寒風吹き荒ぶデッキでのEM組み立て作業は、かなり大変であった。明日から本格的な氷中航行が始まる予定。

士官学校生の他にも、初めて北極圏を訪れる船員も多くいるため、そのパーティやイベントが7月22日夜から連日ある。観測研究に支障を来さない範囲内で付き合った。7月24日夕方、船は北極圏(北緯66度33分)に入った。

King Neptune Foes

初氷。ランカスター海峡の入口手前。