カナダ・ケベック州のWhapmagoostui-Kuujjuarapikという街の周辺のツンドラと森林の移行帯で調査をしています。KuujjuarapikにあるCEN(Center for Northern Studies)の基地を起点にベースキャンプを移動しながら、基地滞在数日ののち、キャンプでの野外調査を5-7日程度というサイクルでの調査を7月初旬から9月上旬まで続けています。
今回の調査の目的は、生物群集の多様性の解明、バイオマス生産や土壌有機物分解などの生態系機能の関係性を解明することです。対象としている生物群集は維 管束植物、土壌のバクテリアや菌類、トビムシなどの中型の土壌動物など様々です。このような様々な分類群の群集構造、バイオマスなどの生態系構造の指標の測定と、土壌呼吸などの生態系機能に関する調査を同時に実施しているため、野外調査の内容は多岐に渡ります。調査中は、炎天下の暑さが一転し体感気温が0 度近い寒さになったりします。また、蚊やブヨなどの大量の吸血性昆虫の襲来などめまぐるしく環境が変わります。その様な中で調査を行っています。
北川涼(横浜国立大学・テーマ6実施担当者)