ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

韓国極地研究所への滞在

2016年11月10日〜2017年1月27日にかけて、韓国の仁川にある韓国極地研究所(KOPRI)に滞在し、共同研究に必要な観測データの収集や打ち合わせを行ってきました。

滞在期間の前半は、韓国の砕氷船ARAON号で取得されたデータの品質や船上での観測方法についての議論を行いました。取得された観測データは、ごく稀に観測誤差などを含むことがあります。そのため、正確な解析を行うためにこれらを取り除く必要があります。これまでのみらい北極海観測の経験を生かし、観測データに含まれる観測誤差を取り除き、データの再構築を行いました。

滞在期間の後半は、品質を向上させた(観測誤差を取り除いた)観測データを用いて、観測データが天気予報の精度に与える影響を調べました。これらの研究成果は、KOPRIで行われたシンポジウムやワークショップで発表を行い、夏期の北極海での観測が天気予報の予報精度向上に重要であることをKOPRIの極域の他分野(アイスコアや海洋・海氷など)の研究者に理解してもらいました。

また、現地の研究所では多くの研究者と交流することができました。特に、KOPRIでは年齢の近い研究者が多く、韓国の若手研究者と交友を深めることができました。非常に有意義な時間を過ごすことができただけでなく、今後共同研究を行う上で重要な滞在となりました。

佐藤和敏・国立極地研究所(テーマ1実施担当者)

KOPRI外観

滞在中の主食、キムチとビビンバ