ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

北極海航路をめぐる最新研究 公開セミナー開催

ArCS研究テーマ1及び研究テーマ7の研究グループにより、北極域研究共同推進拠点と共催にて、北極海航路に関する最新研究成果を紹介する公開セミナーが3月10日に都内で開催されました。セミナーの目的は、北極海の利用や保全をめぐる国際関係、北極圏における資源開発の動向、北極海航路の利用に向けた海氷・波浪・海運に関する研究成果を、北極に関心を持つ産官学界の関係者にむけて紹介し、今後の研究課題と展望について、広い視点から議論することです。セミナーは3部構成とし、第1部では北極に関わる世界の政治・資源開発・海運における動向を総括、第2部は北極海航路に関する自然科学・工学研究の成果を紹介、第3部ではこれらの研究を通じ、北極研究の課題、今後の取り組みに関する総合的な展望について、発表が行われました。

セミナーには、海運・物流・造船・人工衛星・建設・シンクタンク・経済団体などの産業界(12名)、報道機関(2名)、自然科学・社会科学等の研究者(29名)、自治体・官公庁(5名)などから、総数48名が出席しました。研究発表のあとの質疑では、ロシアをめぐる国際関係や資源開発分野の動向、海氷・気象予測と情報の提供サービス、航行船舶による観測協力の可能性、実際の航路利用における懸念と求められる情報などの話題が展開されました。主催した研究者にとっては、異分野の研究活動との接点を見つけるとともに、産業界や政府・自治体の視点を知る機会となりました。

大塚 夏彦・北海道大学(テーマ7実施担当者)

セミナーにおける発表の様子

セミナー第3部にて発表を行う田畑PI