ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

PAME 2017年第2回会合より~海上航行への取り組み

北極評議会PAMEワーキンググループ2017年第2回会合では、北極海を航行する船舶による環境影響とその対策に関する広範な取り組みについて、協議されました。

近年の夏期北極海の海氷減少を背景に、北極海では海運、観光、資源開発など様々な海上活動が活発化しています。こうしたなか、PAMEでは海洋環境を保護しつつ適切に活動するために必要な課題が取り上げられ、北極評議会の他のワーキンググループのほか、国連やWWFなど外部の機関との協力のもとで活動が進められています。今回の協議の内容は、北極海沿岸国が海洋保護区を定めるためのガイドライン、北極海における重油燃料の使用状況調査、国際海事機関IMOによる極海コードの効果的な導入方法、北極海に入るプレジャーボートやヨットの安全対策、IMO MARPOL条約におけるReception Facilities対応のための専門家グループ(Regional Reception Facilities “RRF” Expert Group)メンバー募集、バラスト水などによる外来生物進入の問題、海中騒音の海棲哺乳類への影響、および実際の船舶航行状況のモニタリングプロジェクトなどに及びました。これらに関する実際の活動は、PAMEのもとで設立されている5つの専門家グループ(Shipping、Marine Protected Area、Ecosystem Approach、Marine Litter、Resource Exploration and Development)によって進められています。そのメンバーには我が国のようなオブザーバーも入ることが可能であり、北極評議会の具体的な活動に関する最新の情報が得られると同時に、プロジェクトでの活動を担う機会もあります。

大塚 夏彦・北海道大学(テーマ7実施担当者)


本会議の様子(1)


本会議の様子(2)


Shipping Expert Group会議(前日)