ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

地球観測に関する政府間会合(GEO)2017(GEO週間)

今回のGEO本会合で設定されたGEO-weekでは、文科省、JAXA、JAMSTEC、NIES、NIPR が中心となってJapanGEOブースが設けられました。ブースのテーマは「有用さを重視しての日本のGEOSSへの貢献」でした。

本会合全期間を通してJapanGEOブースでArCSの活動を中心とした日本の北極での科学活動をポスター展示すると同時に、ArCSのリーフレットも配布しました。10月25日26日の両日には、JapanGEOブースでショートレクチャーが行われ、派遣者を含め、石田(JAXA)、松永(NIES)の3名がGEO参加者に向けて、それぞれ15分程度のレクチャーを行いました。派遣者以外の2名のレクチャー内容は、温暖化気体の衛星モニターおよびALOSによる災害リスク低減(Sentinel Asia)を題材としたものでしたが、派遣者のレクチャー内容は、国連が主導するMDG(Millennium Development Goal)、2030Agenda、SDGs(Sustainable Development Goals)という主として地球温暖化に伴う自然の変化に立ち向かい全社会が手を取り合って発展することを目的とした計画を背景としました。その背景の中で、北極のあらゆる面(自然環境、社会経済、社会)での持続的な発展には、GEOが常に最重要課題として掲げてきた地球観測計画や現場観測によって得られたデータのInteroperability(誰もが利用でき、誰もが見つけられ、誰もがデータの正しさについて判断できる)が特に北極では重要であることを、ArCSでの研究実例を示しながら強調しました。GEOで北極について特に的を絞った発表や講演は大変少ないこともあって、二日間でのべ200名程度の聴衆も熱心に耳を傾けていました。また、レクチャー後には数人の聴衆(国の代表レベルの人々が3名、科学者が1名)と議論をすることができましたが、いずれも、日本の北極研究が、日本と特定の北極国の協働(bi-lateral)のみでなく、国際的な協働を推進して行くことに対して歓迎と期待を持つものでした。

深澤理郎(ArCS PD)

Japan GEOブースにおけるショートレクチャー(1)

Japan GEOブースにおけるショートレクチャー(2)

Japan GEOブースにおけるショートレクチャー後