ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

第2回AMAP Short-lived Climate Forcers Expert Group (SLCF EG)派遣報告

AMAP Short-lived Climate Forcers Expert Group (SLCF EG)のSLCFに関する評価報告書を取りまとめるための会議が1月29-31日フィンランドのヘルシンキで開かれました。約15か国から40名近い参加者がありました。

SLCF評価報告書の内容として、日本としてブラックカーボンの高精度測定および気候モデルにより貢献することを講演し、多くの参加者からの理解を得ました。この観測には、これまで行われてきたニーオルスンに加え、アラスカのバロー、ロシアのバラノバ、カナダのアラートも含まれます。BC観測を国際共同研究として行っている点で、好感をもって受け止められました。またこの貢献に対する期待も大きいと思います。

議論した主な内容は以下の通りです。

  • 2021年の評価報告書作成に向けての作業日程を確認した。
  • 北極評議会以外の政策と科学が関連した問題についての対応について議論し、今後他の関連した活動と共同歩調をとり、統一的なSLCFの削減に向けての活動を行うこととした。
  • 2019年の中間報告書作成に向けての日程を議論した。特にBCとメタンの排出量のシナリオについて詳細な議論が行われた。今後数値モデル計算に用いるシナリオを厳選していくこととした。
  • 報告書の主要なテーマのさらに具体的な課題をリストアップし、担当者をノミネートした。

より詳細なまとめは代表者から送られてくる予定です。

次回の会合は2018年11月13~14日に開催予定です。

近藤 豊/国立極地研究所・特任教授(テーマ3 実施担当者)