ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

日露北極研究ワークショップ

懸案でありました国立極地研究所とロシア北極南極研究所(AARI)との共同研究の合意書(包括的MoUおよび具体的観測についてのAgreement)が締結され、去る2017年10月より北極海のケープ・バラノバ基地(Cape Baranova、79.27N, 101.75E、セベルナヤ・ゼムリヤ諸島;2013年観測再開)でArCSの一環としての共同観測が始まりました。これを機にAARI新所長Dr. Alexander Makarov以下5名を国立極地研究所に招聘し、日露における北極研究についてのワークショップを開催し、最近の北極研究の状況紹介、共同研究の詳細打ち合わせを行いました。 

15日午前は国立極地研究所の訪問を受け、中村所長以下の研究者との懇談および所内見学を実施しました。午後はワークショップ第1日目として、公開で日露双方における北極研究の現況やケープ・バラノバ基地での共同観測(既に開始されたブラックカーボンの観測、今後実施するラジオゾンデ拡充観測)の紹介が行われました。 19日はワークショップ第2日目として、具体的な共同研究の打ち合わせを行いました。2018年の観測を実施するにあたってのデータ共有の問題、ラジオゾンデ観測実施に際する諸問題などを協議するとともに、今後開始を希望する観測(降水同位体観測、海氷・海洋観測やオゾンゾンデ観測)の提案等が行われました。これらに基づき、今後の対応方針、必要なAgreementの改訂等を議論しました。 北極研究におけるロシアの役割や観測点の少ない北極海での観測の重要性を鑑みると、AARI所長を含めた来訪が得られたことは貴重であり、今回のワークショップは極めて有効であったと考えます。

山内 恭(国立極地研究所)
※山内先生はArCSの参加研究者ではありませんが、
本ワークショップの開催に多大なるご協力をいただき、
本記事も寄稿してくださいましたのでご紹介します。


集合写真


極地研の実験室見学の様子

ワークショップの様子(1)


ワークショップの様子(2)

ワークショップの様子(3)