北極評議会PAMEワーキンググループの2018年第1回総会が、カナダのケベック市で開催されました。PAMEは毎年2回のWG総会を開始しており、毎年1~2月に開催される第1回目では、その後に開催されるSAOへの活動報告を中心に、専門家グループが進める複数のプロジェクトの進捗、新規プロジェクト提案、関連WGとの連携、IMOやUNなど外部関連機関との連携状況等について審議、情報共有を図っています。
近年の主なプロジェクト活動は、長年継続してきたAMSAプロジェクトのもとでの北極海での船舶航行に関する現状把握、環境リスクの把握、HFO使用問題、環境対策のほか、エコシステムアプローチの導入、海洋環境保護区MPA策定に関するガイドライン作成などです。このほかCAFFと共同での外来生物対策ARIAS、海洋開発活動における先住民族・現地社会との協働、SDWGと共同でのEIAなどがあります。また新たなプロジェクトとして、AMSAでは衛星AISを用いた船舶航行実態調査とデータベース化ASTDが始まったところです。会議には北極評議会メンバー、オブザーバーだけでなく、WGの活動に関連する重要な情報提供を行う外部機関からも参加が許されます。今回では、St. Lawrence Shipoperators、万国海法会(Comité Maritime International)、EYOS Expeditions(ヨットツアーのエージェント)、International Quiet Ocean Experiment (IQOE)、International Seabed Authorityなどから、PAME活動に関連するプレゼンテーションが行われました。またオブザーバーからの発言も、関連する議題においては比較的オープンに認められます。このほか韓国KMIからは、Arctic Partnership Weekの概要報告が行われました。
大塚 夏彦・北海道大学(テーマ7実施担当者)