ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

平成30年度若手研究者海外派遣報告:第11回極域法シンポジウムでの報告

本派遣事業によりノルウェー北部の都市トロムソに約2週間滞在し、学会報告、事務局訪問、学術交流を行いました。

北極評議会には、2011年にその設置が決定されるまで常設事務局が存在せず、議長国が持ち回りで一時的な事務局を担っていましたが、常設事務局の重要性に対する認識の広まりなどから、2011年グリーンランドのヌークで開催された北極評議会閣僚会合において、正式に常設事務局をトロムソに設置することが決定されました。第11回極域法シンポジウムでは、北極評議会常設事務局が2013年にその運営が開始された後、どのような役割を果たしてきているのかについての報告を行い、著名な先生方、学生から多くのフィードバックを得ました。また、トロムソに設置されている北極評議会事務局、同先住民事務局及び北極経済評議会事務局を訪問しました。特に北極評議会事務局では、Webでは入手できない事務局の内部資料を収集し、事務局長及び担当事務局員へのインタビュー調査を行い、また今後の北極評議会研究のために、これら事務局での人脈を構築しました。

加えて、ノルウェー北極大学との共同ワークショップを行い、北極資源の持続可能な利用について話し合うなどの学術交流を行いました。

今回の調査により、北極評議会事務局が国際機構との協力関係構築を進めていることや、事務局に提出される国別報告書を管理し、また場合によっては公開する等、評議会の特に事務の面を事務局が強化しつつあることが分かりました。

今回のArCS 若手研究者海外派遣支援事業により、大変貴重な研究の機会を得ることが叶いました。心より感謝申し上げると同時に、自分は大変幸運であったと感じております。

誠に有り難う御座いました。

幡谷 咲子(神戸大学)


第11回極域法シンポジウムでの報告