ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

平成30年度若手研究者海外派遣報告:ドイツ・Max-Planck Institute for Meteorology での滞在

ArCS若手研究者海外派遣事業のご支援を受け、2018年10月16日から11月30日までの間、ドイツのMax-Planck institute for Meteorology (以下MPI-M)に滞在しました。私は新潟大学の大気海洋システム研究室に所属し、対流圏と成層圏の境界である対流圏界面の変動について研究しています。対流圏界面の変動は気候変動の指標となり、温暖化の傾向を示すことが知られています。一方で北極域では全球平均と比べて著しい速度で温暖化が進んでいることがこれまで明らかとなっています。本派遣では北極域の対流圏界面変動の実態、またその要因について温暖化あるいは内部変動との関係を明らかにすることを目標としました。派遣先であるMPI-Mはドイツ・ハンブルクに位置し、約200名の大気・海洋・陸面の研究者が在籍しています。受入研究者であるElisa Manzini博士を中心に、様々な分野の研究者の方々と多角的な意見交換を行ってきました。特に派遣期間中頃に行われたセミナーにて初期解析の結果と今後の研究方針について発表させていただいた際には、多くの海洋学者の方々にもご参加頂き新たなテーマの発見へとつながるアドバイスをいただきました。他にも研究所内で行われるワークショップや各分野のセミナー、研究所全体の今後の方針について全員参加で議論するretreat に参加させていただき、大学とは異なる研究機関での研究生活を体験できました。

休日にはMPI-Mの同僚の家にお邪魔したりこちらにお招きしたりと、よく食事会をしていました。ドイツではボードゲームが盛んなようで、食事の前後で様々な種類のボードゲームをして楽しみました。どのご家庭にいっても10数種類以上のゲームがあることには非常に驚きました。

受入を快諾いただきご指導下さったElisa Manzini 博士をはじめ、大勢のMPI-Mの研究者の方々に支えられて公私ともに非常に充実した滞在となりました。今回の滞在で得た知識、経験、人脈は今後の研究生活で大いに私の助けになってくれると思います。MPI-Mの皆様、そしてArCS若手研究者海外派遣支援事業のご支援に深く御礼申し上げます。

石田 悠貴(新潟大学)


滞在中お世話になった皆さんとの昼食会の様子 (左手前から2番目が Elisa Manzini 博士)


海洋パートの学生、ポスドクの方とのパーティの様子