北極評議会PAMEワーキンググループの2018年第2回総会が、ロシアのウラジオストク市にて開催されました。議事は、実施中のプロジェクトの活動報告、11月に予定されている次のSAO会合への報告事項、およびPAME 2019-2021 ワークプランへの準備と新規プロジェクト提案の審議などです。来年は北極評議会議長国がフィンランドからアイスランドに移るため、多くのプロジェクトが節目を迎え、成果報告、継続する次期の実施計画、および新規提案に関する多くの案件が協議されました。
海洋保護区及びエコシステムアプローチ分野では、エコシステムアプローチ導入ガイドラインや、中央北極海エコシステムの特徴と脆弱性レポートの準備に加え、新規提案として気候変動によるインパクトに関するファクトシートや、マイクロプラスチックを含む海洋廃棄物に関するデスクトップスタディが検討されています。
北極海の安全で持続的な海運利用を目的に長年継続してきたAMSAプロジェクトでは、北極海岸域での重油利用状況調査、重油代替燃料の利用に関する調査、海中騒音の影響等の調査、衛星AISによる通航船舶データプロジェクト、北極海の船舶事故概要、安全・低インパクトな船舶回廊プロジェクトなどの調査状況の報告や、今後の実施計画が協議されました。
海洋開発活動関連では、先住民族・地域コミュニティの参画(MEMA)報告書(II)とデータベース作成の確認、およびthe Arctic Offshore Oil and Gas Guidelines (2009)の更新に関する次期プロジェクト提案などが協議されました。
オブザーバー国の動向では、韓国がShipping Expert Groupを3rd Arctic Partnership Week (10-14 December 2018、Busan)に招待しました。また中国は、PAME-I 2019にて海運活動に関するプレゼン実施を要望し、歓迎されました。
大塚 夏彦・北海道大学(テーマ7実施担当者)