ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

IARC北極域研究協力ワークショップ

ArCS国際連携拠点のひとつであるIARC(アラスカ大学フェアバンクス校国際北極圏研究センター)では、開設20周年にあたり、「Japan - U.S. Arctic Science Collaboration-Reflections on the Past Two Decades and Future Opportunities-」と題した会合が2019年3月4日(月)~6日(水)に開かれました。この一環として、ArCS国際連携拠点メニューでは、IARCにおける共同研究の推進を目的とするワークショップ「ArCS Workshop for Promoting Arctic Collaboration between IARC/UAF and Japan」を会合2日目の3月5日(火)に実施しました。ワークショップには、日米双方から約50名の参加がありました。

ワークショップでは、まずプレナリーセッションとして、1.海洋・海氷、2.寒冷圏・氷河、3.人文と工学、4.温暖化効果気体や生態の各分野に関し、これまでの研究内容のレビューや今後の共同研究提案について日米双方から合わせて9件の発表がありました。午後からは、ブレークアウトセッションとして、研究題目ごとに次のようなグループに分かれて共同研究について討論しました。

A.海洋/海氷(コンビーナ:北海道大学・深町康教授)
B.北太平洋先住民社会における適応基盤(コンビーナ:北海道大学・近藤祉秋助教)
C.北極圏におけるエネルギー確保(コンビーナ:北海道大学・森太郎准教授)
D.寒冷圏/氷河(コンビーナ:JAMSTEC・紺屋恵子研究員)
E.温暖化効果気体のモデリング(コンビーナ:国立環境研究所・伊藤昭彦研究員)
F.コミュニティ構築と管理(コンビーナ:国立民族学博物館・大石侑香研究員)

最後に、ふたたび一堂に会して、それぞれの討論の結果を報告しました。グループによって到達したレベルは異なり、各人の興味を発表しあったのみのグループから、ファンディングを申請できるレベルまで話が進んだグループもありました。

参加者からは、自らの関わる共同研究について具体的な議論を進めることができたうえ、アラスカにおける他の研究の状況を知る貴重な場であったとの声もあり、概ね好評を得ました。今回のワークショップをきっかけとして新たに計画が進んだ共同研究グループもあり、IARC拠点における今後の研究活動やアラスカ側との連携の強化につながるまたとない機会になりました。

兒玉 裕二(国立極地研究所/国際連携拠点の整備メニュー実施担当者)


ワークショップの様子


集合写真