係留気球大気観測のテストを西部北太平洋上で実施しました。この観測は北極海上で大気物質の上空と地表付近の違いを観測するために実施します。また、同時期に実施されるドイツ砕氷船を用いたMOSAiCプロジェクトでも同様の係留気球観測が実施予定のため、今航のみらいでの結果と合わせて解析することで、北極の広域での大気物質の高度を含めた、データの取得が可能になります。
係留気球観測は、気球にケーブルを括り付け、船上に設置したウインチを使って気球の高度を制御します。気球に括り付けられた大気成分測定装置により各高度で観測を実施します。今回の観測ではエアロゾル粒子の数濃度、粒径分布、ブラックカーボン濃度に加えて、電子顕微鏡で観察するためサンプリング装置を搭載しています。今回用いる係留気球は全長6.5m、直径2.5mととても大きく、様々な機器を搭載して実施しました。
今回のこの海域でのテスト放球は中緯度からの北極域に向けて(上空を通って)の物質輸送をとらえることが合わせてできることを期待し、実施しました。無事にテスト終了し、データも取得できました。今後、解析を実施します。
竹谷 文一(JAMSTEC/テーマ3実施担当者)
係留気球観測の様子