スウェーデン・ストックホルムにあるスウェーデンのEnvironmental Protection Agencyの一室で9月5日から6日に開催されました。近代的なビルでしたが、所長によると数ヶ月前にこのビルに引っ越し、約500名が勤務しているとのことでした。会議には北極国も含め14カ国から45名程の出席者がありました。今回はスウェーデンが議長となってから初めての会合でした。
議長であるMark Marissinkさんは、CAFFの委員を長く努めたのち、別の任務に就いていたのですが、今回CAFFの議長として戻ってこられました。そのため、今回はCAFFの活動の進捗状況について確認する作業に多くの時間が割かれました。CAFFの重要課題としてモニタリングがあります。海洋、淡水、陸域、沿岸域の4つのグループからなりますが、海洋・淡水グループについては、モニタリングプランやレポートが発行され、順調に進行していることが確認されました。また、それぞれのグループで重複する課題が出始めたり、とりまとめのやり方など共通する課題が出始めたりしたため、今後のグループでの会合の際には、各グループの議長がそれぞれのグループの会議に参加し、モニタリングにおける情報交換に加え、報告書作成方法やスケジュールの立て方などについて、進行の速いグループの方法を参考にすることなどが話し合われました。また、オブザーバー国からの支援を歓迎すると明言されました。今後、オブザーバー国がIASCのプロジェクトや直接的にCBMPに貢献できる可能性が出てきました。そのためにはプロジェクト研究に加え、モニタリング研究の継続性が重要になってきます。
北極渡り鳥イニシアティブ(AMBI)は2019-2023年の作業計画が北極評議会閣僚会合で承認され、各フライウェイにおける渡り鳥保全について、北極評議会のオブザーバー国に加えて、非オブザーバー国にも協力を要請することが検討されました。
いつもは、先住民の居住地で会議を開催するため、先住民とのコミュニケーションの場を設けるのですが、今回はEPAでの開催となったため、ストックホルムからバスで30分ほどのところにあるTyresta National Parkに行きました。30分ほどビジターセンターでスウェーデンにおけるNational Parkの設立や現在の状況に関する話を係員から伺ったのち、90分ほど公園内を係員の方と散策しました。係員の方はいろいろな話をしてくださったのですが、最近スウェーデンでも健康志向が高まっており、「森林浴」がブームの一つとなっているそうです。「しんりんよく」という言葉がそのまま使われており、近いうちにスウェーデンの辞書に「しんりんよく」という言葉が加わるでしょうとのことでした。
会議はNational Parkから戻ってきても続けられ、新しく申請されたプロジェクトの審査や、ポスト2020生物多様性目標およびフレームワークに関して意見交換が行われました。
次回の役員会議は2月3日-5日にヨックモック(Jokkmokk)で開催されることが決定しました。
内田雅己・国立極地研究所(テーマ6実施担当者)