宮古毎日新聞 1998年7月11日掲載
「南極ってどんなとこ?」
まてぃだの教育推進「南極の講演と映画の会」(主催・文部省国立極地研究所、共催・市教委)が10日午後、マティダ市民劇場で行われ、第36次(93−96年)南極越冬隊長で宮古島地方気象台長の召田成美氏が講演し、参加した児童生徒らが南極について理解を深めた。また児童生徒の代表らが南極昭和基地と電話で直接会話した。
参加したのは市内の小学校6年生と中学校1年生の約千人。
召田氏は「南極の自然と観測隊」と題し講演。スライドを使って南極の自然や生き物、昭和基地、越冬隊員らの生活などを次々に紹介した。
南極について「日本が南極観測を本格的に始めたのは40年前。現在、4カ所の基地があるが、3カ所は無人。隊員約40人のうち半分は観測者で、残りは医者や料理人、機械屋、大工さんで構成している。気温は最低でマイナス40度、最高は10度。越冬隊員は1年間、南極で気象やオーロラ、生き物の観測などをする。南極にも夏があり、24時間太陽が出ている日が40日間続く」などと説明した。
講演に先立ち、児童代表で友利翔太君(北小6年)、生徒代表で饒平名剛君(平良中1年)と島尻真由美さん(北中1年)の三人が南極隊員と電話交信した。KDDとNTTの協力で実現した。
隊員は「周りの景色に変化がなくて退屈しませんか」との質問に「朝日や夕日、星、オーロラなどが見え、退屈しません」と回答。「寒さを防ぐためにはどんな工夫がありますか」との問いには「冷蔵庫のようなドアで内と外を遮断します。昨日はマイナス28度まで下がりました」などと答えていた。
冒頭、市の砂川道雄教育長は児童生徒らを前に「参加できなかった児童生徒の分まで心にたくさん南極を受け止めてください。特に南極と私たちの生活がどう結びついているのかを考えながら、講演を聞いてください」とあいさつした。
同会は、学力向上対策(まてぃだ教育)の一環として実施。南極観測の映画と講演を通して児童生徒が地球環境を理解するとともに、南極で生活している越冬隊員と交信し、表現力を高め、学習活動に役立てることなどがねらい。
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