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南極3,028.52メートル深の氷床コアの採取の成功
2006年1月23日

取り出し直後のコアとチップ

 この度、第47次南極地域観測隊(隊長:白石和行国立極地研究所教授)の本山秀明副隊長(国立極地研究所助教授)をはじめとするチームが、平成18年1月23日19時  22分(日本時間24日1時22分)、ドームふじ基地で進めていた氷床深層掘削で、深さ3,028.52メートルまでの氷床コア(氷のサンプル)の採取に成功しました。(別添写真)

 氷床コアには、水蒸気やさまざまな環境を起源とする物質とともに、大気が気泡として閉じ込められており、氷床コアの分析により、過去の地球規模の気候や環境の変動を明らかにすることができます。

 今回採取した氷床コアでは、他国のこれまでの実績を越えて過去100万年の地球環境変動の復元ができると期待しています。これまでの最も古い氷床コアは、平成16年12月に、南極ドームC基地において、EUが採取した80万年前のものです。

【白石隊長コメント】
「47次観測隊の主要な観測プロジェクトである氷床深層掘削で、所期の目的をほぼ達成する深さ3,028.52メートルまでのコアを採取できた。長い南極観測の歴史に、誇るべき足跡を残せたことに満足している」

【本山副隊長コメント】
「深さ3,028.52メートルまでのコアを世界に例を見ない早さで採取することができた。標高3,810メートルという厳しい環境のドームふじ基地で、24時間3交代で頑張った甲斐があった。また、優れたドリルを開発した日本の技術力の高さに負うところも大きい。ここに至るまで、多くの人の支援があったことに感謝したい。」

藤井国立極地研究所長談話
「南極観測隊の苦労が報われる結果となり、大変喜んでいる。深さ3,028.52メートルの氷は、世界で最も古い100万年前のアイスコアと考えられ、今後、北海道大学低温科学研究所を始めとする大学等との共同研究の成果が楽しみである。温度などの諸状況は、岩盤がごく近いことを示している。本山副隊長ら掘削チームの帰国を待って検討を行い、来シーズンに岩盤までの掘削にチャレンジしたい。」

ドリル地上へ


地上に回収した直後のドリル


コアバレル取り出し





最終コア
 
 
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