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2000年8月7日(月)島根県平田市にて

 2000年の第1回目の「講演と映画の会」は、市制45周年を迎えた島根県平田市において、8月7日(月)、平田市立文化館プラタナスホールにおいて開催しました。当日の雰囲気は、毎日新聞、産経新聞、島根日日新聞(順不同)の記事により感じとってください。
 
毎日新聞 2000年8月8日(朝刊)

南極をスライドで紹介

子供ら越冬隊長と交信も 〜平田市で環境考える催し〜 

 厳寒の南極から地球環境を考える催しが7日、平田市平田町の市立文化館プラタナスホールであり、夏休み中の子供たち約830人が熱心に聴き入った。
 続いて、今年11月に日本を出発予定の本吉洋一・第42次観測隊長が講演。オーロラやアザラシなどの現地の映像をスライドで紹介したり、南極の氷と冷蔵庫の氷を比べてみるミニ実験などを披露。「全地球の約9割の氷が南極にあり、すべて溶けると水位が60〜70メートル上がるといわれる。地球温暖化が進むと東京も大阪も、平田市も沈んでしまう」などと深刻な現状も訴えた。

(毎日新聞社の転載承認済み)

 
 
産経新聞 2000年8月8日(朝刊)

南極観測を学ぶ 平田

講演と映画の会 小・中学生750人参加

  南極観測の意義や成果を紹介する「白い大陸からのメッセージ-講演映画の会」(文部省国立極地研究所主催)が7日、平田市平田町の市立文化館で開かれ、市内13小学校と3中学校の児童・生徒ら約750人が厳寒の地での研究を学んだ。
 講師は、第42次観測隊長として11月に出発する本吉洋一・国立極地研究所助教授(46)。まず、南極の昭和基地と国際電話でつなぎ、灘分小学校5年、槙野皓太君ら代表4人が越冬隊長の渡邉研太郎さんと交信。「現在の気温はマイナス18度。朝方で暗いです」「越冬隊は1年4ヶ月滞在し、気象、雪と氷、地学、生物などを研究します」など、想像を超える答えに会場からは驚きの声が上がった。
 続いて本吉助教授が、持参した南極の氷と冷蔵庫の氷の違いを調べる実験を行い、児童・生徒たちの関心を引き付けた。このあと、今度の観測隊員は40人でうち6人が女性▽米国は千人もいて研究が進んでいる▽基地も近代化され、個室もありFAX、電子メールで家族といつでも話ができる-など観測隊の現状を紹介。スライドを使って昭和32年から始まった日本の南極観測の歩みや、18ヶ国の44基地で行われているオゾンホール、オーロラ研究などを分かりやすく説明。また、二酸化炭素濃度が19世紀初頭からずっと上がり続けている実態などを強調し、地球環境を守る大切さを訴えた。
 田仲さんは「知らないことばかりで勉強になった。南極に行ってペンギンを見てみたい」と感動していた。

(産経新聞社の転載承認済み)

 
 
島根日日新聞 2000年8月8日(夕刊)

「古代の環境」知らせる氷にビックリ

「南極観測の意義など紹介」第42次観測隊長が講演 平田

 昭和基地での南極観測の様子や研究成果について紹介する観測隊長の講演と映画の会「白い大陸からのメッセージ」(文部省国立極地研究所主催)が8月7日、平田市平田町の市立文化館プラタナスホールで開かれた。観測隊員との電話交信や南極の氷を使った実験もあり、会場に集まった子供たちは、地球環境へ多くの示唆を与える氷の大陸へ思いを馳せた。
 日本における南極観測は、1956年に第1次観測隊が出発、翌57年には昭和基地が建設され、有害紫外線を吸収するオゾン層の一部がフロンガスによって破壊されているオゾンホールの発見など、地球環境を考察する上で大きな成果をあげてきた。
 同会では、今年11月に南極へ出発する第42次観測隊長の本吉洋一・国立極地研究所助教授が、「南極の自然と観測隊」と題して講演。南極観測隊の生活の様子やオーロラやペンギンなど南極の自然を映したスライドを交えながら、研究内容の目的や意義について紹介した。
 この中で、南極の氷と冷凍庫でつくった氷が別々に入った二つのコップに水を入れ、氷の違いをみる比較実験も。水を注ぐと音を出しながら泡を出す南極の氷は、数十万年前に降り積もった雪が固まってできたもので、この泡はこの間氷の中に閉ざされていた地球上の空気であることが説明された。また、古代からの環境情報を蓄積している南極の氷を調べることによって、気温や二酸化炭素濃度の推移などを連続的に観測できることが紹介された。
 昭和基地にいる観測隊員との電話交信では、4人の小・中学生が受話器を握り、基地に滞在する期間や基地の場所を選んだ理由などについて質問。また、灘分小学校5年生の槙野皓太君が本吉さんに宛てた手紙が読み上げられ、「南極のペンギンを地球の温暖化から守っていきたい。将来は南極に行きたい」と書いた槙野君に対し、本吉さんから、「南極では学者をはじめ医者やエンジニアなど様々な人が活躍している。身体を鍛えて、あきらめずに頑張って」とエールを送られる一幕もあった。 会場には平田市内の小・中学生をはじめ、保護者や教職員ら約830人が訪れ、熱心に耳を傾けた。

(島根日日新聞社の転載承認済み)

 

子供たちの触れているのが南極の氷
 
参考1(概要)
日 時 8月7日(月)14:00〜16:00
場 所 平田市立文化館プラタナスホール(平田市平田2112-1)
名 称 「講演と映画の会 −白い大陸からのメッセージ−」
講 師 本吉洋一(第42次観測隊長、国立極地研究所助教授)
演 題 「南極の自然と観測隊」
映 画 「南極観測」国立極地研究所製作
主 催 国立極地研究所
供 催 平田市教育委員会
後 援 島根県教育委員会
協 力 KDD株式会社(現KDDI株式会社)
 
参考2(講師以外の出演者)
司  会 郷原雅子
挨  拶 長岡秀人
講師紹介 玉木徳信
電話交信 佐藤菜穂子、槙野晧太、佐藤順也、田仲奈美、吉直大祐
氷の実験 土江知子、高橋翔子
花束贈呈 坂根未央
 
参考3(スタッフ)
総括進行 奥村強、柴野浩成
進行調整 河原仁志
技  術 福田幸善
音  響 (有)出雲文化企画
照  明 (有)出雲文化企画
映画映写 中国16ミリ映画社
舞  台 山本利明、野元掘隆
通信技術 大塚拓
スライド 大下和久
写真記録 川瀬道子
受付・会場 吾郷久夫、角篤志、曽田辰雄、西尾真、吉川剛、市居裕紀子
準  備 高見良夫、坂本敦子、長谷川明人、足立一博、松村喜美、曽田義雄、田中徳一、樋野明夫
パネル展示 秋国英雄、渡部一雄、長廻毅
 
参考4(協力校)
平田小学校、灘分小学校、国富小学校、 西田小学校、鰐淵小学校、久多美小学 校、檜山小学校、東小学校、北浜小学校、佐香小学校、 塩津小学校、伊野小学校、平田中学校、旭丘中学校、光中学校、佐香中学校
 
 
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