南極観測船「しらせ」は、24日15時44分(日本時間 同21時44分)、昭和基地に接岸した。昭和基地ですでに建設作業に従事している第47次隊員や第46次越冬隊員らが海岸べりまで出迎え、目の前の「しらせ」に手を振って歓迎した。
「しらせ」は、今月3日にオーストラリアのフリーマントル港を出てすぐ大揺れに揺れた(最大で左42度、右35度)が、暴風圏は比較的穏やかに通過して氷海に入り、15日夕、氷縁に到着した。そのあとの乱氷帯がなかなか手ごわく、チャージング(後退して体当たりするこ と)を500回以上繰り返しながら、ゆっくりと昭和基地に近づき、オングル海峡を経て昭和基地の沖合い約1kmの地点に停泊した。
乱氷帯から定着氷へとつづく氷の海を進みながら、昭和基地への17日の一番機のあと、ヘリコプターによる空輸活動を繰り返し、これまでに昭和基地や大陸沿岸部に観測隊員や建設資材を 計74トン運び込んだ。接岸後は大型雪上車や大量の燃料などを直接、陸揚げする。
これで「しらせ」は、先月14日に東京港を出てから1ヶ月余りで1万4000kmを踏破したことになる。白石和行第47次観測隊長は、「ほぼ予定通りに接岸できたのは幸先がよいが、夏の観測・設営活動はこれからが本番。安全に留意して計画を全うしたい。」と語った。
乱氷帯:風で吹き寄せられた氷塊が折り重なった状態の場所を表す。特に定着氷の縁にできやすい。
定着氷:海岸に接して形成され、定着している海氷。
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