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北極研究の重要拠点のひとつであるニーオルスン基地に常駐する、極地研スタッフからのメッセージをご紹介します。
2022.8.28
6月と比べて、体や角が成長したトナカイが増えた気がします。この日は、コケの上で眠っているトナカイが多く見られました。
2022.8.26
観測村の裏手には、研究施設や建物が無いサイエンスエリアという研究専用の地区が設けられています。この場所には気象観測の装置が多く設置されており、研究以外では立入りできません。この日は、装置の近くをカオジロガンが沢山歩いていました。
2022.8.25
曇りや雨の日が続き鉛色の空が広がっていましたが、昼の短い晴れ間にうっすらと虹が見えました。虹は太陽の光が雨粒に反射してできますが、太陽の高度が高すぎると見られません。日本では夏の昼に虹が見えることはないですが、北極ニーオルスンでは夏でも太陽高度が低いので昼に虹が見られます。
2022.8.21
ニーオルスンの野外には、陸上生物を自動撮影するための小型カメラが設置されています。羽毛が散らばっていたので、オランダの研究グループにこの周辺で撮影された写真を見せてもらうと、そちらには鳥をくわえたホッキョクギツネが写っていました。
2022.8.20
8月上旬から気温が次第に下り、最近は4℃前後の日が続いています。観測所の周辺では、花が咲き終わり綿毛を付けた植物やキノコが良く見られるようになりました。今月27日には白夜が終わり、ニーオルスンにも秋が近づいています。
2022.8.12
日本では厳しい暑さが続いていると聞きます。氷河の写真で、少しでも涼を感じてもらえればと思います。ちなみに、なぜ氷河が青く見えるかわかりますか?氷河の氷の中には空気の泡があまり入っていません。氷に入った光は、空気の泡に反射されず、氷の奥まで届きます。光は様々な色が組み合わさっていますが、その中でも、赤い光は氷に吸収され、青い光は氷の中で反射するため、私たちの目には氷河が青く見えます。
2022.8.11
雲の粒子を観測する機器を設置するため、アメリカから来訪した技術者とツェッペリン山の観測所へ行きました。山頂が雲に覆われていたたため、一日中雲の中で作業することになりましたが、機器のテストには適していたかもしれません。作業終了日には、天候も良くなりロープウェイから観測村も見えました。
2022.8.5
先日の西ブレッガー氷河の調査につづき、東ブレッガー氷河でのサンプリングに同行しました。砂の採取場所へ到着するまでに、いくつもの川を長靴で渡りました。東ブレッガー氷河から流れ出る水は赤い色をしています。
2022.8.4
ニーオルスンにはロープウェイがあります! ツェッペリン山の山頂にある観測所に向かうために使われます。山頂では各国による大気の観測が盛んにおこなわれており、写真は研究者がエアロゾルを採集するフィルターを交換しているところです。
2022.8.3
氷河方面への土壌調査に同行しました。先日、同行した湿原と異なり、岩石が多く見られます。氷河から流れてくる川は赤色に染まっており、この河川水が海に流れ出ているようです。
2022.8.3
研究グループに同行して、村から約7km離れた湿原へノルウェー極地研のボートで向かいました。今回の調査では、オーガーと呼ばれるドリルで凍土の柱状サンプルを採取します。断崖の下に広がる湿原は、緑の苔に一面覆われています。
2022.7.31
6月から7月にかけて撮影したツェッペリン山の写真を合成してみました。1ヶ月で雪がかなり融けたことが分かります。普段は肌寒いですが、今月は気温が16℃まで上がり薄着で過ごすこともありました。
2022.7.31
港へ立てられた観光客向けの看板には、"Radio Silence"と書かれています。絵からもわかるようにニーオルスンでは、Wi-Fi等の無線機器の使用が禁止されています。以前、紹介したVLBIの観測に影響を与えるため利用できないのです。スマートフォンを使う時も、有線LANのアダプターが必須です。
2022.7.30
最近はユキホオジロのヒナが、観測所の近くを歩き回っています。親鳥と同じ位の大きさですが、うまく飛べないようで、親鳥が常に付き添っています。ユキホオジロの鳴き声は特徴的で、とても美しい音色です。
2022.7.10
日本人研究者の野外観測に同行しました。極地の植物に寄生する菌類を調べるため、数年おきに同じ場所でサンプルを採取します。
オープントップチャンバーと呼ばれる囲いの中と外側の苔を採取し、研究のため持帰りました。
2022.7.10
道を歩いていると、毛玉のようなものが動いていました。親鳥とは似つかないですが、キョクアジサシのヒナです。付近を通っただけで、怒った親鳥に空から糞をかけられたので、逃げるように帰ってきました。現地で野鳥を研究している海外グループは、突かれながらも調査を続けています。
2022.7.9
ニーオルスンでは、日本人研究者によるエアロゾル(空気中の塵)の観測がおこなわれています。エアロゾルは、大気観測所に設置された空気を大量に吸い込む装置を使用して集めます。技術スタッフは、週に1回エアロゾルが集まったフィルターを回収し、国内での分析のため大切に保管します。
2022.7.9
湾内の一部が赤くなっています。まるで赤潮のようですが、山から流れた雪融け水が土と共に湾内に流れ出し赤く染まっていると聞いています。この時期、山の裾野では雪融け水でできた小さな川がたくさん見られます。海の奥に見える建物は、ノルウェー地図局のVLBIという天体からの電波を受信する巨大なアンテナです。
2022.7.8
日本は早くも梅雨明けして、猛暑日が続いているとのこと。こちらニーオルスンは、6℃前後の肌寒い日が続いています。先日紹介したWebカメラでは、ニーオルスンの山側にある氷河も連続して撮影しています。気候変動の影響により融けて小さくなっている氷河もあると聞きますが、長期にわたり撮影を続けることで時間と共に氷河がどのように変化するのか確認することができます。
2022.7.5
ニーオルスンでは週に1回、分析用の大気を採取しています。容器に詰めた空気は、日本へ発送して温室効果ガスの濃度分析に使用されます。北極で、その日その時間に取れたサンプルは、時間をさかのぼって採り直しができない貴重なものです。空気が漏れないよう容器の栓を締める手に自然と力が入ります。
2022.7.4
仕事終わりに、ニーオルスンの史跡を巡るイベントへ参加しました。観測村の外れには、炭鉱時代に使われていた線路や木造建築の残骸が現在も残っています。炭鉱というと石炭利用による温暖化影響を思い浮かべますが、現在、ニーオルスンは、気候変動を含め地球環境を調べる国際観測拠点に変わっています。
2022.7.3
白夜を紹介します。これは午前0時の村内の様子。外は明るいですが、誰も歩いていないためゴーストタウンのようです。中央の青い家は、ブルーハウスと呼ばれるドイツとフランスの観測所です。両隣の家は、色のとおりイエローハウス、ホワイトハウスと呼ばれています。いずれも、古い建築物ですが、観測所や住居として使用されています。
2022.7.3
北極は雪と氷に閉ざされているというイメージを持っていましたが、夏のニーオルスンでは緑も見られます。特にバードサンクチュアリがある平野部には、緑色のコケが絨毯のように生えています。奥に見える鉄塔は、アムンセンが北極点探検の時に飛行船を係留するのに使ったもので、アムンセンタワーと呼ばれています。
2022.7.2
分析用の大気を採取するため、村内から外れた所にある観測所へ徒歩で向かいました。道の途中、キョクアジサシの威嚇に会い、くちばしで頭を何度も突かれることに。近くに巣があるため、気が立っているようです。日本の観測所の前には巣が作られてしまい、出入りするたびに突かれています。
2022.7.1
警備員から付近にホッキョクグマが現れたと連絡が入りました。日によっては、1日に何度も出現情報の無線が流れます。
この日は、対岸の島にホッキョクグマが上陸し、アザラシを食べている様子でした。
2022.6.27
連日、大型のクルーズ船がニーオルスンの港を往来しています。現在は世界各国から研究者が訪れる北極の観測拠点となっていますが、過去には北極点を目指す探検家の出発拠点であったことから、観光客は村内に残された史跡を巡っているようです。
2022.6.26
多くのトナカイが村内を歩いており、まるでサファリパークのようです。最初はもの珍しく写真を撮っていましたが、一日に何度もトナカイに出会うため、あまり気にしなくなりました。ニーオルスンで見られるスバールバルトナカイは、脚が短く体が丸いため、後ろ姿が羊のように見えます。
2022.6.24
技術スタッフとして、今まで春・秋・冬にニーオルスンへ訪れましたが、今回は初めて夏の期間に滞在します。この時期、村内では鳥や花が多く見られ、他の季節とは違った風景に驚かされます。北極と南極を行き来するキョクアジサシ。今日も一日中、さえずりが村内に響いていました。
2022.6.22
滞在中の日本人研究者と屋外に設置した観測機器を点検しました。山頂には雪が残っていますが、機器が設置された平野部は雪がほとんど融けています。外気温は3℃前後。天候が良かったため、屋外でも寒さを感じませんでした。
2022.6.22
ニーオルスンに設置しているWebカメラの画角を調整しました。1時間に1回撮影した画像は、極地研のHPで公開されます。調整後は対岸の山も写るようになりました。カメラの付近は動物もよく通るため、ホッキョクグマやトナカイが写るかもしれません。
2022.6.18
技術スタッフは、日本の観測所がある「Kings Bay Veksthus」という建物に滞在します。「Veksthus」とはノルウェー語で「温室」を意味するそうです。この建物には、居室の他、実験室や観測機器を設置する部屋が設けられています。午後7時過ぎに自室からと外の風景を撮影してみました。陽が沈まない白夜の中、青空が広がります。
2022.6.17
ヘルシンキから、オスロを経由して、ようやくニーオルスン基地に到着しました。港には大型のクルーズ船が停泊しており、村内は観光客で賑わっています。技術スタッフは、現地で日本人研究者の観測支援や観測所の保守作業を担当します。
2022.6.13
北極の情報をお伝えする「北極ニーオルスンNOW!!」が2022年度も始まります。極地研技術スタッフが、ニーオルスン国際観測村にある日本の観測所に滞在し、現地から北極の最新情報をお伝えします。
ニーオルスンはノルウェー本土と北極点との間に位置するスバールバル諸島スピッツベルゲン島にあり、北緯78度55分、東経11度56分に位置します。
研究・観測活動
極地の過去から「地球システム」のメカニズムに迫る 〜第四紀の極地環境・大気組成変動の高精度・高時間分解能復元〜
太陽風エネルギーの磁気圏流入に対する電離圏応答の南北極域共役性の研究
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 北極観測センター
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3 (交通アクセス) / E-mail:aerc-kikaku@nipr.ac.jp
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