2022年度 | ArCS II 北極域研究加速プロジェクト https://www.nipr.ac.jp/arcs2 北極域に関する先進的・学際的研究を推進し、その社会実装を目指します Fri, 30 Jun 2023 04:48:31 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.5 サイエンスアゴラ2022にブース出展しました https://www.nipr.ac.jp/arcs2/project-report/2022_agora/ Fri, 31 Mar 2023 01:23:00 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=project_report&p=9934 2022年11月5日(土)、6日(日)に、東京・臨海副都心で開催された科学技術振興機構(JST)主催の科学技術イベント サイエンスアゴラ2022 にブース出展しました。ブースの来場者は2日間で200名程度、特に、中高大学 […]

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2022年11月5日(土)、6日(日)に、東京・臨海副都心で開催された科学技術振興機構(JST)主催の科学技術イベント サイエンスアゴラ2022 にブース出展しました。ブースの来場者は2日間で200名程度、特に、中高大学生や親子連れ、科学館・教育関係者の来場が多くみられました。ArCS IIブース「北極は地球温暖化の最前線!遠くて近い北極について考えよう」では、以下の5つのプログラムを提供しました。


 

サイエンストーク①「みらい北極海航海2022」

11月5日(土)には、みらい北極海航海2022の首席研究者である伊東 素代氏(海洋研究開発機構)による、今年の北極海観測航海の報告を行いました。今年は、継続的に行っている海水成分や生物量の調査に加え、大規模な海底堆積物サンプルの採集や水中ドローンの試験運用も行いました。参加者からは「海氷の厚さが数mしかないことに驚きました」「北極でしかできないこと、北極で分かったことを他の地域に活かせることに興味が湧きました」などの感想が寄せられました。


 

サイエンストーク②「2022年夏、グリーンランドの今」

11月6日(日)には、今夏にグリーンランド北西部のカナック周辺で雪氷観測を行った、西村 基志氏(国立極地研究所)による観測報告を行いました。現地の氷河・氷床の様子を動画で紹介し、現地観測や自動気象観測装置の活用を通して、グリーンランドの環境変化を明らかにする研究を紹介しました。参加者からは「温暖化の影響を詳しく知れて良かった」「この夏のグリーンランドの氷河の様子を動画で見られたのは貴重だった」などの感想が寄せられました。


 

ワークショップ・地球観測衛星データから地球の今を知る

北極の環境変化の様子を、地球観測衛星データを通して紹介しました。北極域データアーカイブシステム(ADS) の操作方法を紹介し、参加者自らがタブレットを操作して、北極海の海氷面積や海面水温などの変化を調べました。参加者からは、「研究データを基に地球について考える機会が持てて良かった」「中高生にも今日の話をしてほしい」「北極で学んだことを南極や他の地域で活かせることが印象に残った」などの感想が寄せられました。


 

北極ボードゲーム『The Arctic』体験会

ボードゲーム体験会では、クイズを交えて北極について学んだ後、北極ボードゲーム『The Arctic』 をプレイしました。参加者は研究者の解説を聞きながら、次々と起こるイベントに対して自分の職業を意識しながら対応を決め、ゲームを進めました。「北極海の海氷が解けても海面が上昇しないのには驚いた」「ボードゲームで今まで気づかなかったことにも気づけた」などの感想が寄せられ、北極の今を知り、これからを考えるよい機会を提供できました。


 

展示:北極やArCS IIの活動を紹介

大型北極域地図や写真パネル、北極域研究船の模型などを展示し、北極やArCS IIの活動を紹介しました。参加者からの質問やメッセージを掲示するボードには80件を超える声が寄せられました。「北極から地球全体を知れるのが面白いと思った」「文系的な研究ももっと知りたい」「私もいつか北極に行きたい!」などに加え、「研究の重要性を多くに人々に伝えてください」「北極の統合知を期待しています」などの声もあり、北極研究者へ期待の大きさが感じられました。

今回のサイエンスアゴラへの参加は、ArCS IIが一般市民と交流する貴重な機会になったと共に、科学館や教育関係者との連携拡大に繋がる成果を上げることができました。

 

関連リンク

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ASSW2023・IASC海洋学作業部会会合参加報告 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/dispatch/2023-03-27-1/ Fri, 31 Mar 2023 00:42:27 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=dispatch&p=9378 報告者:菊地 隆(海洋研究開発機構/海洋課題) 川合 美千代(東京海洋大学/海洋課題) ASSW 2003会期中の2月19日(日)に、IASC海洋作業部会(MWG)会合が開催地のウィーン大学とオンラインによるハイブリッド […]

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報告者:菊地 隆(海洋研究開発機構/海洋課題)
川合 美千代(東京海洋大学/海洋課題)

ASSW 2003会期中の2月19日(日)に、IASC海洋作業部会(MWG)会合が開催地のウィーン大学とオンラインによるハイブリッド形式で開催されました。日本からは、現地でJAMSTECの菊地(MWGのVice-chair)、オンラインで東京海洋大学の川合の両委員が参加しました。加えてオブザーバーとしてJAMSTECの八田と張が現地参加しました。参加者数は、現地約40名、オンライン約10名で、活発な議論が行われました。

例年通り、MWGにおける活動の進捗報告と、今後の活動に関する議論が行われました。今回の特記事項としては、国連海洋科学の10年(UN Decade for Ocean Science: UNDOS)における北極に関する取組やArctic GOOS Regional Alliance(GRA)に関する提案など、海洋に関する国際的な取組の北極における活動との関連や実施について議論があったことが挙げられます。既存の活動との調整や資金の問題など調整が必要なことも多く、引き続き議論されることとなりました。なおその後、菊地がArctic GRA task teamに参加することが決まり、GRAの書類作成や議論に貢献することとなりました。またMWGのStrategic planも議論されました。これはASSW 2025で行われるICARP IVのプロセスとも関係したものです。2022年11月にコペンハーゲンで行われたワークショップの報告を元に、引き続きMWGとして対応していく予定です。

日本の活動との関連としては、2023年IASC MWGのFellowとして選ばれたLisa Winberg von Friesenさん(デンマーク)が、2023年みらい北極航海の若手公募採択者として乗船することを彼女の発表の中で紹介されました。この他、ノルウェーや英国の研究者からも、若手公募によりみらい2023北極航海の乗船・観測が可能になったことについて感謝の意が示されました。なおこの若手公募に関しては、1名分の旅費がIASC MWGでカバーされることとなりました。参加予定の大学院生に支給する予定です。

なおMWGの議長・副議長については、引き続きHeidi Kassens(独)がChairを、菊地(日本)とKaren Frey(米)がVice-chairを担うこととなりました。次回のMWG会合は秋に行われます。具体的には、今後日程調整をして決められます。

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ASSW2023・IASC陸域作業部会会合参加報告 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/dispatch/2023-03-27-2/ Fri, 31 Mar 2023 00:42:15 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=dispatch&p=9381 報告者:内田 雅己(国立極地研究所/陸域課題) 檜山 哲哉(名古屋大学/陸域課題) 国際北極科学委員会 (International Arctic Science Committee:IASC)の陸域圏分科会(Terre […]

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報告者:内田 雅己(国立極地研究所/陸域課題)
檜山 哲哉(名古屋大学/陸域課題)

国際北極科学委員会 (International Arctic Science Committee:IASC)の陸域圏分科会(Terrestrial Working Group:TWG)が、ASSW2023 (Arctic Science Summit Week 2023)開催期間中の2023年2月19日に開催されました。会場はオーストリア・ウィーンでしたが、オンラインでの出席も認められていたため、ハイブリッドでの開催となりました。

会議の冒頭では、議事次第の確認を行ったのち、各国代表者がナショナルリポートについての説明を行いました。その後、陸域圏科学分科会(TWG)が資金提供する6つの活動に関する報告が行われました。そのうち、北極圏クリティカルゾーン観測網(Arctic Critical Zone Observation Network)は、2023年1月にイタリアのピサで1回目のワークショップを開催しました。これまでに得られた成果について、18名から発表がありました。その後、科学的な問題点について整理したのち、共通測定項目を決定しました。北極植生アーカイブプロジェクト(Arctic vegetation archive)は、2022年に予定していたノルウェー・トロムソでのワークショップがCOVID-19蔓延の影響によりキャンセルされましたが、2023年2月にオーストリア・ウィーンでハイブリッドの形式によるワークショップを開催できました。現在までの植生データはTurboVeg2(https://www.synbiosys.alterra.nl/turboveg/ )で利用可能になったことが報告されました。

北極圏研究計画国際会議(ICARP)は10年ごとに北極圏における研究計画を立案しています。2025年から4期目が始まるため、それに向けた研究課題について、考えを出し合いました。その中では、北極陸域のジオシステムとエコシステムにおける知識向上;陸上および淡水域における地球温暖化の増幅または緩和させる環境とバイオスフィアのプロセスにおける要因解明;種間の相互作用、種と環境の相互作用、極限環境における生物に関する統一的な概念、基礎理論、およびコンピュータモデルの開発;北極圏の地形と生物多様性の過去の変化と現在の変化の情報から、将来の変化を予測することなどの項目がありました。

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国際セミナー「米国の北極・南極政策と極域ガバナンスの将来」講演動画公開報告 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/project-report/2023-03-24-1/ Fri, 24 Mar 2023 07:19:44 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=project_report&p=9376 2023年3月2日(木)に開催された北極ガバナンスに関する国際セミナー「米国の北極・南極政策と極域ガバナンスの将来」について、講演の動画が公開されました。 詳細は下記からご覧ください(各講演名をクリックすると動画をご覧い […]

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2023年3月2日(木)に開催された北極ガバナンスに関する国際セミナー「米国の北極・南極政策と極域ガバナンスの将来」について、講演の動画が公開されました。
詳細は下記からご覧ください(各講演名をクリックすると動画をご覧いただけます)。

関連リンク

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ウクライナ侵攻と北極国際協力のゆくえ:ロシアとの協力継続はいかなる条件で可能か https://www.nipr.ac.jp/arcs2/press-release/2023-03-23-01/ Fri, 24 Mar 2023 00:05:19 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=press_release&p=9367 氷河で繁殖している藻類に高い感染率でツボカビが寄生していることを発見〜ツボカビの感染が氷河の融解を抑制~ https://www.nipr.ac.jp/arcs2/press-release/2023-03-20-01/ Mon, 20 Mar 2023 09:35:45 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=press_release&p=9364 第7回ArCS II国際政治セミナー「The war in Ukraine, European and Arctic security, and implications for Japan-A panel discussion」報告 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/project-report/2023-03-17-2/ Fri, 17 Mar 2023 10:17:26 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=project_report&p=9355 報告者:大西 富士夫(北海道大学) 関連課題:国際政治課題 2023年3月15日、ArCS II国際政治課題は、第7回ArCS II国際政治セミナー「ウクライナ戦争、欧州と北極の安全保障、そして日本への影響」を開催しまし […]

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報告者:大西 富士夫(北海道大学)
関連課題:国際政治課題

2023年3月15日、ArCS II国際政治課題は、第7回ArCS II国際政治セミナー「ウクライナ戦争、欧州と北極の安全保障、そして日本への影響」を開催しました。

今回のセミナーは、パネルディスカッションの形式で行われました。最初のパネリストであるストックホルム大学経済史・国際関係学部長のマグヌス・ぺーテション教授は、フィンランドやスウェーデンのNATO加盟の決定などに触れつつ、プーチンのウクライナ戦争が、ヨーロッパの安全保障に及ぼす影響について議論しました。2人目のパネリストであるノルウェー防衛研究所のポール・シグード・ヒルデ准教授は、北極圏の安全保障およびガバナンスにおけるこの戦争の意味について考察しました。また、世界政治における戦争の影響についても考察し、民主主義国家と権威主義国家との間の新冷戦の構図が明確になりつつあることを論じました。最後に、国際政治課題のPIで北海道大学北極域研究センターの大西富士夫准教授が、日本にとっての戦争の戦略的意味合いと北極政策について論じました。それぞれ最初に発言した後、大西准教授の司会で活発で自由な議論が行われました。

パネルディスカッションの様子

参考:第7回ArCS II国際政治セミナー「The war in Ukraine, European and Arctic security, and implications for Japan-A panel discussion」開催のお知らせ

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北極域実践コミュニティ トークセッション「北極研究者+ユース・表現者」報告 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/project-report/2023-03-17-1/ Fri, 17 Mar 2023 04:07:28 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=project_report&p=9351 ArCS II国際政治課題 北極域実践コミュニティのトークセッションの開催報告が掲載されました。 詳細は下記からご覧ください。 トークセッション「北極研究者+ユース・表現者」(3月6日)開催報告 関連リンク 北極域実践コ […]

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ArCS II国際政治課題 北極域実践コミュニティのトークセッションの開催報告が掲載されました。
詳細は下記からご覧ください。

関連リンク

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ASSW2023・IASC社会人間作業部会会合参加報告 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/dispatch/2023-03-09-1/ Fri, 10 Mar 2023 01:45:25 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=dispatch&p=9342 報告者:岸上 伸啓(国立民族学博物館/社会文化課題) 国際北極科学委員会(IASC)の社会人間作業部会(Social and Human Working Group、略称SHWG)の年次会合は、オーストリアのウィーンのA […]

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報告者:岸上 伸啓(国立民族学博物館/社会文化課題)

国際北極科学委員会(IASC)の社会人間作業部会(Social and Human Working Group、略称SHWG)の年次会合は、オーストリアのウィーンのArctic Science Summit Week(ASSW)2023において現地参加・オンラインの併用で2023(令和5)年2月19日(日)に開催されました。この会合には、Nobuhiro Kishigami(National Museum of Ethnology)が日本代表としてオンラインで参加しました。ハイブリッド方式で会議は開催されましたが、主催者側の問題でオンライン接続がうまくいかず、開始時間が大幅に遅れたため、いくつかの議題は省略されてしまいました。

今回の会議では、社会や人間に関する研究における先住民の参加の重要性、北極研究の脱植民地化を推進すること、先住民や先住民組織に研究資金を提供すること、学術的会議に先住民の権利保持者を招待すること、科学者と先住民とによる知識の協働生産の重要性、若手研究者の育成などについて検討されました。

北極研究に関する戦略的将来計画についても検討が行われました。社会人間作業部会が研究の中心に据えるテーマとして、人口関連課題(コロナの北極コミュニティへのインパクト、感染症のモニタリング、移住)、気候変動関連課題(食料主権と食料保障、健康の社会・環境的決定要因、景観の変化とコミュニティへの影響、コミュニティの適応)、北極における協力関連課題(地政学と協力、政治的意思決定、健康・社会政策の比較とエビデンスに基づく政策)、コミュニティの繁栄関連課題(文化的ウェルビーイング、精神的ウェルネス、先住民言語、大地に基づく観察と治癒)、土地利用と持続可能な生活関連課題(資源開発、先住民による土地の主権と土地利用)などが指摘されました。また、社会人間作業部会が参画する学際的研究の焦点は、方法、責任ある調査実践、知識の共有と拡散におけるイノベーション、学際的なレンズとアプローチ、キャパシティ・ビルディングであることも報告されました。

最後に、今回の会議では次期の会長1名と副会長2名が選出されました。会長はアイスランドのCatherine Chambers博士、副会長はチェコ共和国のBarbora Halašková博士と英国のIngrid Agnete Medby博士に決まりました。

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ロシアと日本の北極科学協力の可能性についての考察〜北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)の研究成果~ https://www.nipr.ac.jp/arcs2/press-release/2023-03-09-01/ Thu, 09 Mar 2023 01:48:19 +0000 https://www.nipr.ac.jp/arcs2/?post_type=press_release&p=9347