担当教員
Academic Staff

極域宙空圏

中村 卓司(教授)
研究テーマ
超高層物理学、地球大気計測
主な教育・研究内容

大型大気レーダーを始め、ライダー、分光イメージング観測など種々の地上からの電波・光によるリモートセンシング観測を、開発・駆使してそれらの総合観測、さらに衛星との協同観測で、極域の地表から超高層にいたる大気の物理過程や変動を明らかにする。また、極域大気のグローバルなカップリングを観測ネットワークから明らかにする。測器の開発からフィールド観測、データ解析、物理解釈まで幅広く研究指導を行なう。

講義においては、飛翔体、地上からのリモートセンシング、さらに衛星による直接、間接計測など観測法の進展で、飛躍的に進んだ地球電磁気および地球大気構造と種々の物理過程について講述するとともに、極域宙空圏内の光・電波による大気計測、および大気波動についても講義を行なう。

門倉 昭(教授)

kadokura (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
磁気圏物理学、オーロラ現象の共役性、サブストーム
主な教育・研究内容

(研究内容)オーロラ現象とそれを生み出す太陽風~磁気圏~電離圏現象の研究を行っている。南極の昭和基地や南極点基地、無人の観測点網、北極域のアイスランドなどにおいて、最新の観測器を用いたオーロラ観測を実施し、オーロラ嵐、脈動オーロラ、惑星間空間衝撃波によるオーロラ、昼間側のオーロラ、など、いまだ謎の多い様々なオーロラ現象の発生機構を解明するための研究を行う。

(教育内容)オーロラ現象や太陽風~磁気圏~電離圏現象を研究する上で必要な基礎知識と最新の研究内容についての講義を行い、これまでの観測データをもとにしたデータ解析を行うと共に、新しい観測機器の開発や、それらを用いた南極域や北極域での観測の実施についての指導も行い、機器の開発から、現場での観測・データ取得、データ解析とその理論的な理解まで、総合的な能力と幅広い視野を持つ研究者となるよう指導したい。

(論文指導の概要)地上観測データと飛翔体観測データを共に用いた、オーロラサブストームの総合解析が指導の主テーマとなる。サブストーム発達の各過程には様々な興味深い現象があり、それら個々の現象の解析が個々の論文指導のテーマとなる。

堤 雅基(教授)

tutumi (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
大気物理学、リモートセンシング、中層大気力学
主な教育・研究内容

各種大気レーダーや光学観測装置を用いて、南極・北極域の中間圏・下部熱圏(高度50~120km)を中心とした高度領域の研究を行っている。地球大気の大規模な振舞を調べるにはグローバルな視野からの観測研究が不可欠で、国外の研究者とも連携したネットワーク観測を推進中である。また大型大気レーダーなど新しい観測手法の開発も積極的に行って極域大気観測の拡充を目指している。
学生の指導にあたっては、工学および理学のセンスを併せ持つフィールド研究者育成を意識した大気力学研究の指導を行う。

小川 泰信(教授)

yogawa (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
超高層物理学、地球大気流出、超高層大気の長期変動
主な教育・研究内容

北欧の欧州非干渉散乱(EISCAT)レーダーを中心に用いた観測を実施し、極域電離圏と磁気圏間の結合過程の研究や極域大気上下間結合の研究を進めている。特に、地球大気の磁気圏・宇宙空間への流出現象として知られる電離圏イオン流出に関しては、イオンが流出し始める極域電離圏で生じるイオン上昇流の発生機構の解明に重点的に取り組んでいる。さらに、オーロラを含む様々な極域電離圏現象について、その生成機構の理解と下層・上層領域への影響や相互作用を中心に研究を実施している。総研大における論文指導では、特徴的な極域電離圏現象にターゲットを絞り、その現象の未解明の問題に対してEISCATレーダーや人工衛星などの複数の観測データを相補的に用いた解析研究を指導する。それに加え、EISCATレーダー観測やオーロラ光学観測等の極域フィールドワークを通した観測的研究の指導も行う。

行松 彰(准教授)
研究テーマ
超高層大気物理学、宇宙空間物理学
主な教育・研究内容

国際短波レーダー観測網であるSuperDARNレーダーを用いた研究観測を実施し、極域電離圏・磁気圏、及び極域中層大気の研究を行っている。特に、SuperDARNレーダー観測データと、他の地上レーダー・光学・電磁場観測や人工衛星観測データを組合わせ、電離圏・磁気圏結合過程、電離圏電子密度不規則構造、オーロラ現象や電離大気と中性大気の相互作用等について、新たな知見を得、太陽から地球上層大気に至る物質・エネルギー輸送過程、及び、地球大気の変動についての総合理解を深めることを目指している。これらのテーマや極域フィールド研究に主体的に取組んでみたい学生に対して観測的研究の指導を行う。

岡田 雅樹(准教授)

okada.masaki (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
プラズマ物理学
主な教育・研究内容

磁気圏プラズマ物理を主な研究対象とし、れいめい衛星によるオーロラ微細構造に関するプラズマパラメータの飛翔体観測ならびに、計算機シミュレーションによるプラズマ物理基礎過程の研究などを行っている。れいめい衛星では、ラングミュアプローブによるオーロラ帯プラズマの密度、温度の変動を高空間分解能で計測を行う装置CRMを担当し、オーロラ基礎物理の研究と同時に、飛翔体プラズマ環境の研究を行っている。計算機によるシミュレーションでは、プラズマ電磁粒子シミュレーションコードを用いたプラズマ物理の基礎過程を中心とした計算機実験を行っている。主な教育テーマとしては、上記研究テーマに即した、プラズマ計測、プラズマ計算機シミュレーションなどを担当する予定である。

片岡 龍峰(准教授)

kataoka.ryuho (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
宇宙空間物理学、オーロラ、宇宙天気予報
主な教育・研究内容

観測的には、時間空間分解能を極限まで高めた地上光学観測による、オーロラの高速変動に関する研究に取り組んでいる。理論的には、過去や未来に発生しうる極端な状況にも対応できる普遍的な磁気圏物理学の全体像を獲得するためのグローバル磁気流体シミュレーションを用いた研究に加えて、磁気流体の範疇を超えた太陽プロトン、放射線帯粒子、オーロラ粒子などの高エネルギー粒子の変動原理に関する研究と、その極域大気や地球環境へのインパクトを調べる研究に取り組んでいる。応用面では、コロナ質量放出やコロナホールからの高速太陽風で駆動される、磁気嵐や連続的なオーロラ爆発など、実際の宇宙天気予報に役立つ研究にも取り組んでいる。研究指導としては、最重要の研究テーマを共有し、その研究を進める上で基礎となる宇宙空間物理学の理論、データ解析手法、シミュレーション技法、観測手法、論文執筆について総合的に指導する。できるだけ早い段階で、オーロラの光学観測などの観測実験的な研究に一度は触れてほしい。

田中 良昌(准教授)

ytanaka (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
超高層大気物理学
主な教育・研究内容

磁力計、イメージャ、レーダー等の地上観測装置で得られたオーロラや地磁気脈動などの現象のデータ解析、モデリングや数値シミュレーションを行うことによって、磁気圏-電離圏結合過程の解明を目指している。また、コンピュータトモグラフィを利用してオーロラの3次元構造の復元する手法や、複数の装置で観測された異種データを組み合わせてオーロラ降り込み電子フラックスを再構成する新しい解析手法の開発も行っている。教育については、オーロラ、地磁気脈動などの地球電磁気現象の講義を通じて、太陽風-磁気圏-電離圏結合系の理解を深めることを目標とする。

冨川 喜弘(准教授)

tomikawa (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
中層大気科学
主な教育・研究内容

観測データ(ゾンデ、レーダー、人工衛星等)、客観解析データ、およびモデルのデータを用いて、対流圏界面から中間圏・下部熱圏までの中層大気の力学、および物質輸送過程の研究を行っている。これまで、特に対流圏界面や極渦境界といった大気中の境界領域における波動とそこを横切る物質輸送に着目してきた。研究指導にあたっては、観測データ、および客観解析データを用いたデータ解析を中心に、観測、理論、モデルにも精通したバランスのよい研究者の育成を目指す。

江尻 省(准教授)
研究テーマ
中層・超高層大気物理学
主な教育・研究内容

(1)中間圏・下部熱圏領域の温度・密度変動の観測研究:中間圏・下部熱圏(Mesosphere Lower Thermospehre:MLT)領域は、温度や大気微量成分の鉛直分布を時間的に連続に観測することが極めて難しい領域であり、金属原子共鳴散乱ライダーはこれらを観測できる数少ない測器の一つである。MLT領域に層状に存在する金属原子の一つであるナトリウム原子の共鳴散乱を利用して、この領域の温度やナトリウム密度の鉛直分布を観測することにより、大気波動に対する温度場の影響、大気波動による温度やナトリウム密度の変化、さらに大気の鉛直運動や物質の輸送などの研究を行っている。

(2)中間圏界面付近の大気重力波の観測研究:中間圏の大気大循環を駆動するエネルギーを運び込む役割を担っている大気重力波について、全天型大気光イメージャーを用いてこれを観測し、レーダー観測による風速データ、ライダー観測による温度データと合わせて解析することにより、その伝搬特性やエネルギー輸送過程を研究している。

(3)極域中層・超高層大気の光学・電波複合観測研究:極域、特に南極昭和基地上空の成層圏から下部熱圏までの広い高度領域を総合的に観測することを目的として、現在、高機能ライダーと大型大気レーダーの開発が進められている。これらのうち特に、温度や大気微量成分密度の鉛直分布の時間変化を高い時間・高度分解能で詳細に観測するためのライダーの開発に主要メンバーの一人として参加し、研究を推進している。

西山 尚典(助教)

nishiyama.takanori (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
超高層物理学/磁気圏物理学
主な教育・研究内容

高エネルギー荷電粒子の地球大気への流入過程とその影響を、地上観測や衛星観測を用いて解明する。また、中間圏及び熱圏における中性大気とプラズマ結合(電磁気学・力学・化学過程)の素過程を極域大気波動との関連に着目して推進する。

橋本 大志(助教)
研究テーマ
リモートセンシング、信号処理
主な教育・研究内容

地球大気のリモートセンシングとそのデータ解析のための信号処理法の研究をテーマとし、大型大気レーダーの観測技術や適応的信号処理法の開発を行っている。
また、対象となる物理現象を理解したうえでの適切な観測技術の設計、先進的な信号処理技術を基盤とした観測装置の開発、センシングにより得られた情報から物理現象を解釈・可視化するデータ解析までのトータルソリューションを構築できる研究者の育成を目指し、研究指導を行う。

極域気水圏

本山 秀明(教授)

motoyama (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
雪氷水文学
主な教育・研究内容

極域の氷河・氷床の観測手法及び得られたデータを総合的に解析している。具体的には氷河・氷床の質量収支及び流動、大気から雪氷に物質が取り込まれる過程、地球規模の水及び物質循環、氷床表面熱・水収支等の研究である。アイスコア解析に基づいた古気候・古環境復元も研究している。また氷床深層掘削技術や氷コア解析装置の開発も行っている。フィールド調査や各種分析に基づいたデータ解析により、地球環境の変遷を解明することを研究目的としている。雪氷圏との対話が出来るように研究指導する。

榎本 浩之(教授)

enomoto.hiroyuki (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
雪氷学・気候学、リモートセンシング
主な教育・研究内容

北極圏では海氷減少や氷床・氷河融解や積雪期の短期化のような急激な雪氷圏変化が起きている。南極でも海氷や氷床の雪氷の変化システムは状様な気候研究の課題となっている。我々は海氷・氷床・積雪変動の衛星リモートセンシングを実施し、雪氷圏変動と気候との関係を探っている。また、衛星搭載センサーの小型機を用いて、新しい雪氷情報の抽出のための実験とアルゴリズム開発を行なっている。極域に於けるフィールド観測、自動気象雪氷観測装置の展開、そして衛星観測から極域の雪氷と気候の変動プロセスを探る活動と研究指導を行なっている。

東 久美子(教授)

kumiko (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
アイスコアによる古気候・古環境復元、雪氷学
主な教育・研究内容

極域や高山域の氷床・氷河には過去から現在に至るまでの大気と積雪が冷凍保存されている。極域や高山域の氷床や氷河において雪氷コアを掘削・解析することにより、過去の気候・環境変動を研究している。これまで南極や北極の氷床・氷河で雪氷コアの現場解析や積雪試料の採取等を行ってきた。北極域では多点で掘削された雪氷コアの解析を実施し、北極域における地域差に着目した研究を行っている。南極ではドームふじ氷床深層コアを用いた過去72万年の気候・環境変動の研究を進めている。平成27年度からは北東グリーンランド氷床コア掘削計画(EGRIP計画)に参加し、国際共同研究の下で日本の代表としてグリーンランド氷床コアの研究を推進している。南北両極の深層氷床コアの比較解析を行うことにより、氷期─間氷期サイクルのメカニズム、千年スケールで生じる急激な気候・環境変動のメカニズム等を解明することを目標としている。

藤田 秀二(准教授)

sfujita (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
雪氷学(Glaciology)、氷と雪の物理化学(Physics/Chemistry of Snow and Ice)、アイスコアの解析を軸とした気候変動と環境動態の研究
主な教育・研究内容

地球環境変動や、その変動のなかでの極域雪氷圏の挙動や役割を研究しています。極域雪氷圏にかかる観測、リモートセンシング、実験室系での雪氷試料分析や実験、それに、固体結晶としての氷の物理化学的な諸性質の解明とあわせての理解を追求しています。大陸氷床スケールの巨大氷体の振る舞い、氷期 - 間氷期の時間軸のなかでのその挙動や物質輸送、固体結晶としての氷の物理化学的な諸性質と、そのマクロとミクロをむすぶ諸現象の解明に取り組んでいます。そして、そうした知識を論文や解説書やプレスリリースや講演・講義で発信し普及させることにつとめています。

研究関連の主な活動項目:
・アイスコアの採取と解析を基礎として、地球上に起こった環境変動の歴史を現在から約100万年前までの時間スケールで理解するための多分野連携研究をすすめています。
・アイスコア解析にかかる各種の技術開発研究と応用をすすめています。
・極域の雪が生成し、その後に変態・変形して氷にかわっていくプロセスの研究をすすめています。主な手法として、マイクロ波・ミリ波手法を用いて、雪・氷・フィルンの誘電率テンソルの計測を用いています。
・氷結晶の高周波での誘電異方性の明確化や同定、複素誘電率虚数部の同定の研究をすすめています。
・VHF帯やUHF帯のレーダやアイスコア解析の手法を用いて氷床内部の動力学的な構造の解明を目指した研究をすすめています。
・南極氷床の特に内陸部を探査し、現地で起こっている環境の変動(地球温暖化とそれにともなう多雪傾向)を捉える観測的研究をおこなっています。また、南極の基盤地形図の国際編纂にデータを供給してきました(特にドームふじ地域およびドームA地域)。
・アイスコアの全国共同利用にかかる組織化作業のメンバーの一人として活動しています。国立極地研究所のアイスコアをはじめとした低温資試料の管理、低温室設備の利用管理を担当しています。
・アイスコアの年代を決定する研究をおこなっています。
・南極の「ドームふじ」近傍にあるであろう地球最古の氷(Oldest Ice)の採取と分析の実現を国際的な取り組みとしてすすめていきます。Oldest Iceは、過去100万年間にわたって地球の気候に起こってきた氷期・間氷期サイクル周期の変遷(4万年周期→10万年周期)を理解し地球気候システムを理解するうえでの「実データ」としてのカギとなります。

牛尾 収輝(教授)

ushio (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
極域海洋学
主な教育・研究内容

極域のみならず、地球規模の気候変動に重要な役割を果たす海氷成長・融解、それに関連する海洋構造・循環の変動を主な研究対象とする。海氷域内の開水面や疎氷域であるポリニアの実態、南極大陸周辺の沿岸定着氷や沖合流氷域の長期変動特性、南大洋高緯度域の海洋物理過程を明らかにすることを目的として現地観測とデータ解析を進めている。近年、南大洋インド洋区の季節海氷域における海洋物理観測として、プロファイリングフロートの展開を積極的に進めてきた。これらの海洋・海氷の現地観測データと共に、衛星リモートセンシングや航海観測、気象・気候データ等を用いた解析、考察を通して、極域海洋および海氷物理に関する研究指導を行う。

青木 輝夫(教授)

aoki.teruo (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
大気・雪氷放射学
主な教育・研究内容

雪氷面の放射特性や変質物理過程の現地観測及びモデル化、衛星リモートセンシングによる雪氷物理量の抽出技術開発とモニタリングなどを研究テーマとして雪氷圏変動の実態解明を進める。このために必要な大気・雪氷放射学を講義やゼミを通じて学ぶ。研究では、主にグリーンランド氷床や南極氷床を対象域とし、自動気象観測装置や現地雪氷観測データを用いて放射収支や熱収支の解析を行う。解析ツールとして大気―雪氷系の放射伝達モデル、積雪変質モデルなどを用いる。衛星データ解析では、雪氷面のアルベドを支配する積雪粒径や不純物濃度、表面温度などの物理量を光学衛星センサーのデータから抽出し、それらの時空間変動、変動要因などの解析を行う。その結果、近年の雪氷圏変動の定量的な見積もり、フィードバック効果、地球温暖化の影響を明らかにすることを目標とする。

川村 賢二(准教授)

kawamura (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
氷床コア気体分析、古気候・古環境復元
主な教育・研究内容

氷床コアの気体分析により過去の大気組成変動・気候変動・極域雪氷圏変動を復元し、それらのデータを軸にして気候変動や温室効果気体変動のメカニズムに迫る研究を進めている。目下の研究課題としては、南極ドームふじ氷床コアを用いた過去72万年間の大気中の温室効果気体濃度や同位体組成の復元、空気主成分の濃度や同位体組成を通じた極域環境変動の復元、氷床コアの精密年代決定を通じた氷期・間氷期変動のメカニズムに関する研究等がある。

猪上 淳(准教授)

inoue.jun (at) nipr.ac.jp

主な教育・研究内容

急激に進行する極域の温暖化に対して、気象学を軸とした大気-海氷-海洋相互作用の研究に取り組んでいる。特に熱・水輸送の駆動源である低気圧等に関して、現場観測データを用いた解析やデータ同化を駆使した予測可能性研究を行う。また、海氷が減少することで引き起こされる中緯度の異常気象についても着目している。
極域の大気循環、雲降水システム、表面熱収支などの解析を通じて、極温暖化増幅の解明に資する研究指導も行う。

田村 岳史(准教授)

tamura.takeshi (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
極域海洋学・海氷リモートセンシング
主な教育・研究内容

極域・海氷域は近年の温暖化に非常に鋭敏な海域であり、海氷の大きな変動は気候変動と相互にリンクしているだけでなく、重い水の生成量を変えて海洋深層循環まで変えうる潜在力を持っている。しかしながら、海氷分布・海氷生産量・底層水生成量を時空間的に連続して捉える現場観測が極めて困難である事から、マイクロ波センサー等による衛星リモートセンシングは現在でも海氷研究・モニタリングの生命線と言える。衛星リモートセンシングと現場観測との組み合わせによって、海氷が近年の温暖化から受ける影響及びそれが気候システムに与える影響について、特に海氷厚及び熱塩収支における海氷の量的な評価の観点から取り組んでいる。

當房 豊(准教授)
研究テーマ
大気物理化学、エアロゾル、氷晶核
主な教育・研究内容

エアロゾル粒子(大気中に浮遊する微粒子)には様々な種類があり、また時間的・空間的な変動も大きい。よって、エアロゾル粒子が気候に及ぼす影響についての定量的な評価は、不確実性が極めて高いというのが現状である。
そこで、国内外の様々な分野(物理学、化学、地学、生物学など)の研究者とも連携を取り、主に観測的・実験的な研究手法によって、極域大気にはどのような種類のエアロゾル粒子が、どの程度の量で存在しており、どこから供給されているのかを明らかにしていきたいと考えている。また、それらが雲の形成プロセスに与える影響(氷晶核や雲凝結核としての役割など)や生態系に与える影響などに着目した研究についても展開していく。

平沢 尚彦(助教)
研究テーマ
気候学・気象学
主な教育・研究内容

極域の惑星境界層に発現する強い接地気温逆転層や南極氷床上におけるカタバ風、あるいは極渦域でのブロッキングや総観規模擾乱に関わる大気力学及び雲物理過程を中心に、極域大気-南極氷床表面層の水循環と物質循環のメカニズムに関する研究と研究指導を行う。今後、低温環境に対応した計測技術をさらに充実させ、これまで観測の展開が困難だった領域からデータを取得する必要がある。これに対応して、衛星データ処理アルゴリズムの開発や無人航空機等新しい観測技術の導入を進めるとともに、観測結果を吟味するために数値モデルの利用と改良を行なう。

古川 晶雄(助教)

furukawa (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
雪氷学
主な教育・研究内容

地球規模の気候変動に応答して、南極氷床がどのように変動するかを明らかにするためには、南極氷床の質量収支に関わる諸過程が気候変化に対してどのように応答するかを明らかにする必要がある。特に南極氷床表面では雪の堆積が数年間にわたって中断する現象が頻繁に発生する。氷床表面の堆積中断は氷床下の基盤地形と密接な関係を持つことから、堆積中断域の存在形態は、氷床の動力学的状態も反映している可能性がある。雪尺による表面質量収支観測やGPSによる氷床変動観測等の現地観測データと人工衛星によるデータを相互比較することによって南極氷床表面の堆積過程と氷床変動との関係の解明に向けた研究・教育を行っている。

後藤 大輔(助教)

goto.daisuke (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
大気微量成分分析、大気化学
主な教育・研究内容

地球表層における温室効果気体の変動要因や収支の解明を目的とした観測的研究を行なっている。大気中の温室効果気体は、一年を基本周期として季節的に変動するとともに経年的にも変動しているため、その変動の実態を把握するためには定期的かつ長期的な観測が必要不可欠であり、南極昭和基地および北極ニーオルスン基地において温室効果気体濃度およびその同位体比、関連成分の長期高精度観測を国内共同研究者の協力のもとに維持している。蓄積した高精度観測データ、特に、大気中酸素濃度変動に基づいて、地球表層における炭素収支の定量的理解に取り組んでいる。

中澤 文男(助教)

nakazawa (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
雪氷学
主な教育・研究内容

極域や高山域の氷床・氷河で採取された積雪試料や雪氷コアの化学分析・ダスト分析・花粉分析をおこない、雪の堆積環境に関する解析や、古気候・古環境復元に関する研究および教育指導をおこなう。
また、雪氷試料に含まれる化石花粉のDNA分析手法開発、解読された古代DNA情報から過去の植生変遷や気候・環境変動に伴う遺伝的多様性変化の解明など、分野横断型の研究にも取り組んでいる。

平野 大輔(助教)

hirano.daisuke (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
海洋物理学・極域海洋学
主な教育・研究内容

沿岸ポリニヤ域における海氷生成を起点とする冷たく重い水(南極底層水)の形成・沈み込みや,海洋との境界部における氷床の質量損失(融解・カービング)に伴う淡水供給など,極域沿岸域の海洋―海氷―氷床結合システムは全球規模の海洋深層循環・気候変動や海水準変動に多大な影響を与えている。これら全球への影響を計る上で,極域沿岸システムにおける「海洋」の本質的な役割の理解は極めて重要である。
近年では,中でも「暖水」の影響に着目し,観測研究を軸とした数値モデル・衛星観測・雪氷・測地学分野との融合・学際的手法により,南北両極域における水塊形成・変質プロセスおよび海洋による氷床融解プロセスに関する研究に取り組んでいる。

津滝 俊(助教)

tsutaki.shun (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
雪氷学
主な教育・研究内容

現在の極域氷床の質量収支変動と、その気候変動との相互関係の理解は、将来の海水準変動や気候変動の予測に貢献する重要な課題である。氷床質量変動の原因を理解するためには、沿岸部における氷損失過程と並び、内陸における表面質量収支の素過程を理解することが必要不可欠である。表面質量収支の時空間変動の把握、及びそのメカニズムと気候変動との相互関係の解明を研究目的としている。この目的のもと、現在は東南極氷床の内陸部に着目し、表面質量収支の時空間変動とそのメカニズムの解明、及び地上氷床レーダー観測に基づく基盤地形及び氷床内部層構造の解析と、その雪氷学的・地形学的解釈に関する研究を進めている。研究手法としては、現地観測を軸としつつ、衛星リモートセンシング手法、数値モデル実験を有機的に組み合わせた、雪氷学・測地学分野をまたぐ学際的な研究を推進している。

極域地圏

野木 義史(教授)

nogi (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
固体地球物理学
主な教育・研究内容

極域、特に南極海域の海底地形や地球物理学的データをもとに、海洋プレートの発達史およびテクトニクスに関する研究を行っている。特に、ゴンドワナ大陸の分裂過程の過程に注目して、大陸分裂の原動力およびそのメカニズムとそれにともなう海洋プレートの進化の解明を目指している。
現場観測に重点をおいた海洋底観測の方法論およびデータ解析を中心に指導を行い、地球物理や地質等の様々なデータを駆使し、地球システムを視野に入れた新たな海底固体地球物理研究の開拓を目指す。

外田 智千(教授)

hokada (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
地質学、岩石学
主な教育・研究内容

南極およびその周辺地域の地質学的・岩石学的・地球化学的・年代学的研究。具体的な研究テーマとしては、(1)深部地殻での高温~超高温変成作用、流体活動、および、地殻溶融プロセスの研究、(2)高温変成岩・火成岩中の副次鉱物の挙動と年代論と地球化学とのリンク、(3)原生代~古生代にかけての南極を中心とするゴンドワナ大陸の形成発達史の研究、(4)太古代の地殻形成史の研究。フィールド調査、顕微鏡による岩石記載、イオンマイクロプローブや電子線マイクロプローブ等を用いた化学分析・年代測定、顕微ラマンを用いた微小領域分析、等によって研究をすすめる。

三澤 啓司(准教授)

misawa (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
宇宙地球化学・同位体年代学
主な教育・研究内容

地球型惑星の初期進化過程を、隕石の元素存在度、同位体組成にもとづいて解明する。太陽系の材料物質の同位体組成は、どの程度均質であったのか、また現在隕石でみられる同位体組成の不均質のうち、どの部分が原始太陽系星雲内での原子核反応によるものかをあきらかにする。地球型惑星(地球、火星、小惑星)および月について、大規模分化(核―マントルー地殻形成)の継続時間を、長半減期核種(U-Th-Pb, 87Rb-87Sr, 147Sm-143Nd)と消滅核種 (26Al-26Mg, 53Mn-53Cr, 146Sm-142Nd)をもちいた年代学からあきらかにする。

土井 浩一郎(准教授)

doi (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
測地学
主な教育・研究内容

測地学的観測手法や衛星リモートセンシング観測手法を用いて、極域で生じている地殻変動現象や重力変化の解明をめざしている。研究指導の具体的な内容としては 1)超伝導重力計やGPS、VLBIといった測地観測から得られるデータの処理解析、2)極域で生じている地殻変動や重力変化現象の解釈である。また、極域の地殻変動や重力変化を引き起こす要因のひとつとして氷床変動や海水準変動が考えられるが、3)衛星合成開口レーダーや衛星高度計データといったリモートセンシング技術を利用してそれらを検出する方法についても行なう。

金尾 政紀(准教授)

kanao (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
地震学及び地球内部物理学
主な教育・研究内容

極域で長期間に渡り蓄積された地震学的情報(走時、波形、震源、等)を中心に地球物理学的諸データを用いて、現在の環境変動と固体地球の物理的相互作用、また地球史における大陸成長過程を解明する。研究指導の具体的な内容は、1)現在の地球表層の環境変動、特に温暖化に関連した氷床・海氷の消長に伴う固体地球の振動特性・地震氷震活動、2)地殻~上部マントルの内部構造と超大陸の形成・分裂過程、3)極域の窓からみた地球深部(下部マントル~中心核)の不均質構造、等に焦点をあてて行う。さらに、4)極域という遠隔地における観測技術・データ通信・アーカイブ手法の基礎研究を行い、大地震や津波等のリアルタイム防災へ貢献する。データ取得のため、両極域での国際共同研究を積極的に推進する。

山口 亮(准教授)

yamaguchi (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
隕石学・鉱物学
主な教育・研究内容

隕石のほとんどは、微惑星を起源とする。地球や火星などの惑星の原材料物質が現在まで生き残ったものである。微惑星は、その形成初期に、水質変成作用、熱変成作用、火成活動など様々な地質活動を経験したことが知られている。隕石の元素組成や岩石鉱物組織を解析することで、その熱衝撃履歴を読み解き、初期太陽系や惑星進化過程について明らかにしようとしている。大学院教育では、固体物質科学手法を用いた基本的な岩石や鉱物の解析方法や論文執筆の方法などの指導を行う。

菅沼 悠介(准教授)
研究テーマ
第四紀地質学、古気候・海洋学、古地磁気・岩石磁気学
主な教育・研究内容

新生代以降における古環境変動を詳細に復元し、そのメカニズムの理解と将来予測に役立てることを研究目的とする。この目的に従い、特に古環境変動記録の乏しい南極大陸および周辺海域を対象として、以下の研究を遂行または計画中である。

1)南極内陸山地における地形調査と宇宙線照射年代法に基づく氷床高度変動史の復元
2)海底堆積物を用いた南大洋における古海洋・環境変動の復元
3)古地磁気記録および宇宙線生成核種フラックスを用いた海底・湖底堆積物の年代決定法の開発

また、大学院教育では、野外調査から各種データ取得までの基本を習得した上で、上記の研究テーマのみならず、広く古環境変動復元に関わる研究を遂行できるように指導する。

青山 雄一(准教授)

aoyama (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
測地学、地球計測
主な教育・研究内容

地球変動のメカニズム、またはそれに対する固体地球の応答を調査するには、固体地球のみならず、地球表層流体圏も含めた広範な地球観測データが必要である。空間的には極域での観測データが大変重要であることから、GPSで代表される精密衛星測位を活用し、極域での地殻変動、氷床流動、海(氷)面変動、気温・水蒸気分布の計測技術開発と実際の計測を行う。これらのデータに加え、人工衛星による地球重力場観測データや、地上で展開している精密重力計、海底圧力計・験潮儀、気象データなどを結合し、極域の水質量分布変動を明らかにし、どの程度、地球変動の励起メカニズムに寄与するのかについて、研究を進める。

今榮 直也(助教)

imae (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
隕石学、岩石鉱物学
主な教育・研究内容

地球外惑星物質である隕石および微隕石の観察および分析を通して、太陽系天体の形成と進化を物質科学的に研究する。原始太陽系での物質の挙動や惑星物質再現のための基礎実験も行う。研究にあたって、光学顕微鏡、エレクトロン・プローブ・マイクロアナライザー、走査型電子顕微鏡、顕微ラマン分光装置および酸素分圧制御型電気炉などの分析・実験装置を用いる。

海田 博司(助教)

kaiden (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
鉱物学、隕石学
主な教育・研究内容

惑星物質科学(岩石・鉱物学)の観点から太陽系初期における惑星の形成・進化過程の研究・教育を行う。従来から用いられている走査型電子顕微鏡(SEM)、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)に加え、さらに高感度な二次イオン質量分析計(SIMS)などの微小領域化学分析装置を駆使し、隕石鉱物中の元素の移動を希土類元素などの微量元素を含めて詳細に捉える。また、SIMSによる年代測定とあわせ、時間軸も含めて惑星の初期進化過程を明らかにする。計算機シミュレーションによる元素の拡散現象の解析も行う。大学院教育では、これらの研究手法を習得させるとともに、これまでにない視点から惑星形成・進化モデルが構築できるよう指導する。

堀江 憲路(助教)

horie.kenji (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
同位体地球化学
主な教育・研究内容

二次イオン質量分析計(SIMS)である高感度高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMP II)を用いた微小領域高精度同位体分析を応用し、物質の移行挙動の素過程の解明とその時間スケールを明らかにする研究を中心に取り組んでいる。単一鉱物やその粒間といった数十マイクロメートル~数マイクロメートルといった微小領域における反応系を精査することにより、巨視的な現象をより詳細に紐解くことが可能である。ウラン-鉛年代測定の高精度化、微量元素存在度分析手法や高精度同位体分析手法の開発を行うことにより、より詳細は地殻進化過程の解明を目指している。
極域科学専攻の大学院生には、上記のような研究を遂行する上で不可欠な地質学的、地球化学的な知識・技術を習得するとともに、野外調査から論文執筆や学会発表といった成果報告までの一連の過程を体得してもらいたいと考える。野外調査においては研究に必要な知識・技術とともに、安全確保の方法などの指導を行い、極域での調査に備えさせる。また、野外調査と室内での分析・実験を一連の研究過程として捉え、相補的な議論が行えるように指導する。室内での分析・実験では、質量分析計や分光分析の基礎知識や分析技術、統計解析を含むデータ処理手法を習得させる。また、国際誌への論文掲載を目標とした研究成果の取りまとめ方や論文執筆方法について指導する。

奥野 淳一(助教)

okuno (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
固体地球物理学
主な教育・研究内容

地球内部ダイナミクスや氷床変動史を明らかにするためには、関連する現象の観測と数値シミュレーションによる再現が必要不可欠である。特に、第四紀以降のさまざまな時間スケールにおける南極氷床変動は、地球内部物性に依存した地球変形を引き起こす。この固体地球の変形を数値的に再現することで、測地学、地形学、地質学の観測との直接比較を行い、地球表層変遷過程および地球内部物性を明らかにすることを目的として研究を進めている。大学院教育では、数値シミュレーションに基づく一連の研究手法の習得をめざしつつ、上記の研究テーマ以外も含め、広く地球内部ダイナミクスと地球表層変動に関わる研究を遂行できるように指導する。

藤井 昌和(助教)

fujii.masakazu (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
海洋底地球物理、岩石磁気、海洋地質
主な教育・研究内容

中央海嶺で生成される海洋リソスフェアは、海底下で起こる様々な水理現象によってその性質が変化し、固体地球の循環における水の運搬役を担っています。海水との反応で地殻の低温変質が進み、また熱水循環を通じて局所的な高温変質が起こります。断裂帯などの大規模な割れ目では、蛇紋岩化が進みマントルに水を取り込みます。海域における現場観測を通じて、このような様々なスケールで起こる水循環、そしてそれを支えるテクトニクスの解明を目指しています。海底熱水系など小スケールの現象へのアプローチには、高分解能観測を実現させるために潜水探査機を駆使しています。今後、極域に浮かぶ氷の下や、南極を取り囲む中央海嶺に観測を拡大していきます。
大学院教育では、地球物理データや岩石試料の取得方法、データ解析や数値モデリング、物性測定の基本を習得した上で、海洋底ダイナミクスと固体地球の水循環に関する研究を幅広く遂行できるように指導する。上記の研究テーマ以外の研究指導も歓迎する。

石輪 健樹(助教)

ishiwa.takeshige (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
古気候・古海洋学、第四紀地質学
主な教育・研究内容

第四紀における環境変動史を復元し、その変動要因を詳細に検討することで地球表層システムの理解につなげる研究に取り組んでいる。特に、全球規模の環境変動に大きな影響を及ぼす海水準・氷床変動に関する研究に焦点を当てている。野外調査や採取試料の分析、およびモデルシミュレーションをはじめとする多様な手法を導入し、多角的な視点から研究を進めることを意識している。
現場観測に基づく知見を元にし、共同研究者と採取試料の化学分析や微化石分析を行い、モデルシミュレーション解析から過去の南極氷床変動メカニズムの解明を目指すことが現在の主要な研究テーマである。研究教育としては、研究テーマに付随する最新の研究をフォローしつつ、研究を進める上で必要な分析・解析技術の取得や、論文執筆に関する内容を包括的に進めていきたい。

極域生物圏

伊村 智(教授)

imura (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
植物生態学
主な教育・研究内容

南極の陸上環境は、低温と乾燥により生命活動のフロントとなっている。そこに定着を果たしている蘚苔類、バクテリアを中心とした特異な生態系の構造と成立要因を探り、極限環境下における生物の繁殖戦略を明らかにする事を目的とする。特に、南極湖沼中に見いだされた他に例を見ない生態系を対象として、分子生態学的方法を含む多角的な研究手法を用いた研究を行う。南極はまた、フィールドサイエンスの最後の現場の一つでもある。あくまでも現場観測にスタンスを置いた研究姿勢を重視する。

工藤 栄(教授)

skudoh (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
植物生態学・水圏生態学
主な教育・研究内容

極域の海洋および湖沼中とその周辺の陸上における光合成生物(プランクトン藻類・底生藻類・アイスアルジー・蘚類・地衣類)の生長・増殖と光合成生産活動に焦点を当て、その光合成生物のおかれている環境と生理的応答との関係をフィールドでの観測と実験を組み合わせて研究を進めている。これらの解析を通じ、地球上の極限環境のひとつである極地への植物の適応のための方策と、極地の植物が創りあげている生態系の実態を研究する。植物の極域での実態をとらえるためには、フィールドでの環境動態や植物の生理応答の観測・測定と実験が必須であり、これらを研究手段として極地湖沼生態、海氷、陸域生態系の解明を目指す若手研究者とともに極域生物の(多様な)生存原理を追求していく。

平譯 享(教授)

hirawake.toru (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
極域・亜寒帯域における海洋基礎生産, 海洋光学, 海色リモートセンシング
主な教育・研究内容

極域および亜寒帯海域における植物プランクトンの基礎生産力の変動と、地球規模環境変動や栄養物質循環との関係について研究を行っている。フィールドにおける直接的な観測に加え、衛星リモートセンシングや光学的技術を活用し、より広域かつ長期的な推定と変動の抽出を目指した研究と教育を行う。

内田 雅己(准教授)

uchida (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
微生物生態学、生態系生態学
主な教育・研究内容

南極・北極の陸上生態系は環境の変化に対して著しく敏感であるのと同時に脆弱であると言われている。両極の陸上生態系におよぼす環境変動の影響について、さらに、両極の陸上生態系が地球環境におよぼす影響について、様々な情報を総合しながら研究・教育を行う。研究指導に関しては、研究課題の創出、研究計画の立案、観測の実施、データの解析、論文作成および発表に関する指導はもちろんのこと、許される限り極域の調査地へ学生を連れて行き、現在の極域の状態を五感で感じて貰いたい。また、自分の行っている研究と社会との関わりについて常に意識することのできる学生の育成を目指す。

高橋 晃周(准教授)

atak (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
動物生態学、動物行動学、海洋生態学
主な教育・研究内容

海洋生態系の高次捕食者である大型動物(海鳥・海生哺乳類など)の行動学・生態学について研究・教育を行っている。水中を自由に動き回る海洋大型動物は直接観察することが難しく、行動・生態についての知見はこれまで極めて限られていた。近年極地研グループが中心となって動物に装着可能な小型記録計が開発され、潜水など様々な行動情報が詳細に記録できるようになった。また小型画像記録計などにより動物の周辺の環境情報も得られるようになってきている。このような記録計をもちいながら、極域に生息する大型動物の環境変動に対する応答、極限環境における生存戦略について研究している。

渡辺 佑基(准教授)

watanabe.yuuki (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
海洋動物学
主な教育・研究内容

極域に生息する大型捕食動物の生理生態学。具体的なテーマとしては、(1)ペンギン、アザラシ類の捕食行動、エネルギー収支に関する研究、(2)長く深い潜水を可能にする生理メカニズムの研究、(3)効率の良い遊泳を可能にするバイオメカニクスの研究、(4)海洋生態系に与える影響の評価。データロガーと呼ばれる動物装着型記録計を使ってペンギンやアザラシの深度、経験水温、遊泳速度、加速度、地磁気などをモニタリングし、得られた情報から彼らの生理や生態を探っている。最近では、動物装着型の小型カメラを用いて彼らの捕食行動を直接観察する試みも実施している。

高橋 邦夫(准教授)

takahashi.kunio (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
海洋生態学
主な教育・研究内容

地球規模環境変動に伴う生物の応答プロセス・メカニズムの解明を目指し、極域海洋に生息する動物性のプランクトンに焦点を当てた研究を実施している。具体的にはモニタリング観測における群集構造の中長期変動や種間における出現傾向の類似性の検出、さらにはフィールド観測において生理生態学的な飼育実験を行なっている。また生態系をより正確に把握するという視点から、寄生・共生関係、遺伝子情報を用いた種同定や進化過程の推定といったアプローチを試み、生態系保全に貢献できる研究を目指している。これらの研究課題に関連した論文指導を行なう。

國分 亙彦(助教)

kokubun (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
海洋生態学、動物行動学
主な教育・研究内容

動物に装着可能な小型機器(データロガー)を海洋性高次捕食者である海鳥類に取り付けることで、行動・生態やその周辺の海洋環境を明らかにする研究に中心的に取り組んでいる。特に、高次捕食動物の生存に必要不可欠な採餌行動に着目し、これまで可視化することの難しかった採餌の詳細なタイミング・場所を詳細に調べ、衛星による環境データ等とも組み合わせることで採餌にとって重要な海洋環境を明らかにしている。このような視点から、海洋性高次捕食者を指標として、近年注目されている、極域の急激な海洋環境変化が、海洋生態系に及ぼす影響を探っている。
上記のような研究や関連する研究内容に即して、極域科学専攻の大学院生に、フィールド調査から論文執筆に至るまでの一連のプロセスを体得してもらいたいと考えている。具体的には、とりわけ安全に配慮した極域での現場観測の計画立案から実施にいたる流れをはじめ、動物の行動軌跡と海洋環境の空間分布を関連付けるGIS解析、動物の行動の個体差を考慮した統計解析手法といったデータ解析手法を、実際の野外調査や取得データにもとづいて指導する。さらに国際誌への論文掲載を目指して、論文の構成や執筆方法について指導する。

真壁 竜介(助教)

makabe (at) nipr.ac.jp

研究テーマ
生物海洋学、海洋生態学
主な教育・研究内容

極域海洋は現在注目を集める地球規模の環境変動の影響を強く受けると考えられているものの、その生態系に対する我々の理解は他の海域と比べて非常に乏しく、構成生物群の群集規模ですら十分に把握されていないことが多い。この原因としては元々海洋における生物観測のネックでもある定量観測手法が十分に確立されていないことに加え、海域へのアクセスの問題および海氷の存在が観測船の航行を阻むことにある。私は南極海生態系を構成する生物の定量および生物間フラックスを把握するため、目的に応じた手法を確立しつつ、現場生態系の鍵となる生物群およびそれらに関わる事象の抽出・解明を目指す。