コース概要
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コース長挨拶

平譯 享 コース長

総合研究大学院大学は、1988年に設立され、2004年4月に国立大学法人として再発足しました。神奈川県葉山キャンパスに大学本部を置き、全国の大学共同利用機関等の研究機関が専攻課程を構成しています。情報・システム研究機構国立極地研究所は、基盤機関として極域科学専攻の大学院教育を担っており、2006年度からは複合科学研究科の他専攻とともに、5年一貫制博士課程に移行しました。また、2023年4月には、複合的・融合的な課題に取り組む研究者人材の育成を目的として、それまでの6研究科から1研究科1専攻20コースに改組し、先端学術院・先端学術専攻・極域科学コースとなりました。

極域の自然は、宙空圏、気水圏、地圏及び生物圏が相互につながり、全体が大きな極域環境システムを構成しています。極域科学は、この複雑な自然環境システムに係る幅広い研究分野の基礎に立ち、物理学的、化学的、生物学的諸過程とその相互作用を、地球環境システム全体との関係を視野に入れながら、究明することを目的としています。

極域科学コースにおいては、南北両極域の自然現象を中心に、全球的規模の環境をも視野に入れた教育・研究を行い、高度の研究能力を具備し、フィールドサイエンティストとしての力量をもつ優れた研究者を養成します。

極域科学コースの教員は、それぞれの分野で優れた研究業績をあげており、国内外で活躍しています。本ホームページ内に各教員の教育研究内容等が掲載してあるので、是非ご覧下さい。また、各教員の連絡先も掲載してあるので、どんどん質問等お寄せ下さい。

極域科学コースは、創設以来85名の学位取得者を輩出しています。取得者一覧には論文題目も掲載してありますので、テーマ選択に役立つはずです。

令和の時代の新しい極域科学に挑戦する、意欲に満ちた学生を歓迎します。

極域科学コースの教育研究指導分野

極域科学コースには、4つの教育研究指導分野があります。各教育研究指導分野の概要は次のとおりです。

極域宙空圏

極域宙空圏は、太陽からのエネルギーの流れの中で、地球への電磁的エネルギーの流入路として主要な役割を担っている。この極域宙空圏内で発生するオーロラなどのさまざまな電磁諸現象の理解や、エネルギー輸送とその変換過程に関する教育と研究を行う。

極域気水圏

極域は地球の冷源域として、地球規模の気候・環境システムにおいて重要な役割を果たしている。地球上の淡水の90%以上を占める南極氷床など、両極は地球の環境に大きな影響をもっている。このような大気・雪氷・海洋・海氷システムの素過程および素過程から生み出される自然現象についての教育と研究を行う。

極域地圏

南極で取得される岩石や隕石、重力や地震記録などの試・資料と、地球監視衛星データをもとに、惑星物質の進化過程、地球誕生以来の原始地殻の生成からゴンドワナ大陸の発達と分裂、大陸移動による南極の寒冷化と氷床発達および変動史、氷床変動などに伴う現在の地殻変動と海面変化に関する教育と研究を行う。

極域生物圏

極域に生息する生物の環境適応と生物生産、及び生物生産と環境変動の相互作用に関する教育と研究を行う。