国際共同研究推進 - 研究成果 - ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS 北極域研究推進プロジェクト

国際共同研究推進

テーマ5
北極気候変動予測研究

特異値分解解析によって同定されたWACEパターンにともなう地表気温偏差(色)と海面気圧偏差(等圧線:0.5hPa間隔、破線は負値)。(a)観測、(b)大気モデル。ハッチは95%水準で統計的に有意な気温偏差を表す。

北極域に関連した気候変動の予測可能性を理解するため、(1)気候予測可能性の科学的基盤の確立、(2)中長期気候変動予測の手法の確立を目指して研究を実施しました。

(1)では北極域環境を構成する大気・海洋・雪氷など多圏間の相互作用、および北極域外の気候への遠隔影響に関する研究を実施し、海氷変動が引き起こす北極域成層圏の応答や陸域過程をとおした気候メモリーが気候変動およびその予測可能性にとって重要な役割を果たすことを明らかにするとともに、熱帯や南半球といった北極域からかけ離れた地域の気候が北極域の気候に影響する過程を解明し、それにもとづく気候変動の予測可能性の存在、あるいは逆に予測可能性の制限要因の存在を示しました。

(2)では気候モデルを利用した季節から数十年の北極域気候の予測に関する研究を実施しました。特に、海氷をひとつの焦点として、海氷そのものの予測に向けた研究、海氷変動に影響をおよぼす大気海洋過程の研究、および気候温暖化における海氷の応答および役割に関する研究を行い、夏季の海氷面積の予測可能性が、北極海の太平洋側における海氷の持続性(質量または体積)と関連することなどを明らかにしました。また、予測における重要要素でありながら観測による実態把握が十分でない海氷厚分布に関して、海氷域の季節予測のために開発してきた手法を応用することによりデータセット作成に向けた基盤を確立しました。

テーマの背景や概要

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研究業績

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テーマ5の活動により得られたデータの情報

モデル情報