北極域の科学的知見の公開に向けて
テーマ8
北極域データアーカイブシステム
実施責任者:矢吹 裕伯(国立極地研究所)
背景
公的資金によって実施された研究の成果は社会に公開し、知の創出とイノベーションを推進させるという、「オープンサイエンス」の重要性が高まっています。北極域の環境は、大気・海洋・陸域・人間社会から構成され、それらの変動が複雑に絡み合っています。北極域の環境変動について完全に理解することは非常に困難ですが、分野ごとに多くの研究が遂行されています。それらの科学的成果には、観測データや衛星データ、シミュレーションデータが存在しており、これらは正に北極域研究における「ビッグデータ」です。これらの「ビッグデータ」を包括した「オープンサイエンス」の推進は、北極域研究における、新たな学際的コラボレーションやイノベーションに寄与することが期待されます。
研究概要
北極域データアーカイブシステム(ADS)は、北極域研究の「オープンサイエンス」基盤の開発を目指し、北極域研究の「ビッグデータ」の相互流通を推進します。ADSでは集積された「ビッグデータ」の解析および可視化Webプラットフォームを開発し、「ビッグデータ」へ新たなる価値を生み出すことを目的とします。また、データ転送や可視化に際しては、小型デバイスを利用した「IoT( Internet of Things)」による科学技術開発にも取り組みます。
ADSにおけるデータ流通の概念と国際連携
海外連携機関/国際プロジェクト
世界気象機関(WMO)、地球観測に関する政府間会合(GEO)、持続的な北極観測ネットワーク(SAON)、国際北極科学委員会(IASC)
実施体制
実施担当者 | |
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氏名 | 所属機関 |
矢吹 裕伯 | 国立極地研究所 |
杉村 剛 | 国立極地研究所 |
照井 健志 | 国立極地研究所 |
研究協力者 | |
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氏名 | 所属機関 |
飯野 啓子 | 国立極地研究所 |
ArCS通信
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