ArCS 北極域研究推進プロジェクト

若手研究者海外派遣
北極の諸課題に関する国際的な研究や議論の場で活躍できる若手を育成する

若手研究者派遣による人材育成及び国際連携

猪実施責任者: 榎本 浩之(国立極地研究所)

実施責任者: 齊藤 誠一(北海道大学)

背景

北極とその周辺域における環境問題が、国際社会共通の課題として注目を浴びつつあります。しかし、気候変動メカニズムなど北極に関する科学的解明すら、未だ十分とは言えません。のみならず、北極の環境変化が社会・政治・経済へと及ぼす影響についての理解も含め、幅広い観点から北極自体の変化と、その変化が地球全体に与える影響について包括的かつ総合的な理解が求められています。

このような社会的要請に応えるために、各国の研究者と連携して北極に関する課題の解決に貢献できる研究者の育成が求められています。また、産業界や行政等の様々なステークホルダーとの協働といった面も強化しつつ取り組みを進める必要があります。そのために、北極の課題を俯瞰的に捉える視野と、産官学の垣根を越えて協力できる次世代の若手研究者の育成が求められています。

活動内容

我が国の優れた若手研究者を、北極に関する研究を行う海外の研究機関等へ派遣し、自らの専門性を深め、視野を広げるための研究または技術や知識の修得を行う活動を支援します。

対象とする分野は、北極に関する研究課題であれば、自然科学系や人文社会科学系のほか、工学・農学・医学といった実学系の学問分野も含みます。半月から最長で1年程度の海外渡航を支援し、申請者の自由な発想による研究活動を支援します。具体的には、ASSW等の北極の研究に関する国際会議と渡航先の北極研究に関する研究機関の訪問を組み合わせた短期間の計画から、北極のフィールドを訪れデータやサンプル等の取得・分析を行う研究活動、さらには新たなフィールドの開拓を伴う研究や地域間の比較研究などを支援します。渡航前のオリエンテーションと渡航後のフォローアップを設けることにより、派遣の意義をより明確にし充実した海外派遣の実現を支援するとともに、自身が派遣先で獲得した知見と人脈を活用して、ArCSで行う報告会等で派遣支援者がセッションを企画し成果を報告する機会を提供することで、知識の定着とネットワークの維持・強化を図ります。

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