資料1

第66次南極地域観測隊員候補者の公募について
第66次南極地域観測隊『設営部門』公募分野一覧(担当と職務内容・条件)

越冬隊

担当 募集
人数
職務内容 条件 公募
整理番号
調理 2

出発後(「しらせ」乗船中)
野外調査チームへの糧食の配布、献立の確認、切り分け作業などの対応を行う。

出発後(昭和基地到着後)
越冬隊30名程度の毎日の調理、調達した食材と予備食をあわせ、年間を通した食材の管理、厨房機器の保守管理、国内向けに定期的な業務報告を書面で行う。
また、越冬中の各種行事等への対応、当直者への調理関連業務の指示や夜勤隊員への夜食提供、次隊内陸旅行用のレーション等の準備、各種野外調査における行動食の準備等、基地生活において幅広く対応する。

次隊への準備として、食材の使用状況や必要な調理機器の情報をとりまとめて国内に報告する。次隊が昭和基地に到着した後は、実務を交えつつ業務の引き継ぎを越冬終了までに確実に実施する。越冬の終了時には全ての食材を消費、厨房機器など業務に関わる物品を整理・清掃の上で次隊に引き継ぐ。帰国時に一年間の業務を報告書にして提出する。

・調理師免許を取得していること。加えて免許取得後に食材仕入れを含めた十分な実務経験を有し、現に調理業務にフルタイムで従事していること。

・南極では、越冬明けの次隊到着までは補給がないので、自身と一緒に持ち込んだ食糧しか
使用できない。このため、持ち込み時の食材の構成として、生鮮品は限られ、冷凍・冷蔵の食品が中心となる。この限られた条件を理解できること。

・1年間を通したメニューの立案、越冬隊員30名程度(夏期間は短期間ではあるが最大60人程度)への食事の提供が可能であること。

・大量の食材・物品調達を予算の範囲内で計画的に実施できること(参考:予算は一人分約80万円×人数分、調達する食材の物資量は梱包容器抜きで平均35tほど)。

・持ち込んだ食材について、年間を通して適切な管理、計画的な使用(特に使い切り)ができること。

・厨房機器の取り扱いに習熟し、その保守・管理を確実に実施できること。

・越冬終盤に次隊内陸調査旅行に同行する可能性がある。その時は、昭和基地を離れて旅行隊の調理担当となることを了解できること。

・これらの業務を確実に行うべく、PCによる事務作業が問題なくできること。具体的にはワープロソフト、表計算ソフト、メールソフトを使って事務作業並びに国内との連絡・調整・報告が円滑にできること。

S-1

医療

2

出発前(国内)
医薬品や医療機器、衛生材料等の調達を計画的に行い、「しらせ」への物資搭載に備えて全て梱包を行う。また、隊員向けの健康指導及び医療マニュアルの編集等を行う。

出発後
帰国までの間、主に隊員を対象として医療業務及び健康診断等を行った上で健康管理・指導等を行う。また、医薬品及び医療器具、衛生材料等の管理を行うとともに、衛生管理面では水質検査等を行う。これらについては国内向けに定期的な業務報告を書面で行う。
次隊への準備として、必要な医療機器・医薬品等の情報をとりまとめて国内に報告する。次隊が昭和基地に到着した後は、実務を交えつつ業務の引き継ぎを越冬終了までに確実に実施する。帰国時に一年間の業務を報告書にして提出する。

上記の医療業務に支障がない範囲で、医療調査の業務を依頼する場合がある。
また、医療調査の課題に関して、委託を依頼する場合がある。

新型コロナウイルスに関して、南極地域観測隊への対応を検討するために行っている「COVID-19対策ワーキンググループ」に、医療隊員として参加する。

・医師免許ならびに臨床経験を有し、現に医療業務にフルタイムで従事していること。

・医療機器や必要な医薬品の物品調達について、予算の範囲内で計画的に実施できること。

・専門外の医療行為に関しても広く対応できることが望ましい(外傷の初期対応などを含む)。

・専門領域を勘案し、出発前に他領域の訓練を行う可能性あり。

・越冬期間の前後において、内陸調査旅行に同行する可能性あり。また、越冬中に傷病者が発生した場合、緊急搬出に付き添う可能性(早期帰国等)もあり。

・医療調査を担当する可能性があり、対応できること。

・医薬品等の管理や物品の調達、各種報告について、PCを用いた事務作業が円滑にできること。具体的には、ワープロソフト、表計算ソフト、メールソフト、プレゼンソフトを使って事務作業並びに連絡・調整・報告ができること。

S-2
野外観測
支援
1

観測隊員が観測・設営作業など、計画実施に集中できるよう、総合的なサポートを行う役割。

出発前(国内)は業務に必要な機器・装備等の調達を計画的に行い、「しらせ」への物資搭載に備えて全て梱包を行う(取り扱う装備:全隊員に対する個人装備、野外観測パーティーや越冬隊全体の共同装備)。
また、野外観測に出かけるパーティをはじめとして、隊員への安全面の講習や技術的な訓練を活動別、目的別等、隊の要請に併せて行う。

南極・昭和基地では、基地内及び周辺の沿岸・内陸フィールドにおいて、観測・設営計画遂行に必要とされる野外活動の現場支援を行う(ルートガイドや生活支援)。また、それにかかわる安全および計画の管理、それに関わる各種の講習や装備品の管理等を行う。
これらについては国内向けに定期的な業務報告(計画と実績)を書面で行う。

次隊への準備として、必要な装備品等の情報、基地周辺の海氷状況等を詳細にとりまとめて国内に報告する。次隊が昭和基地に到着した後は、実務を交えつつ業務の引き継ぎを越冬終了までに確実に実施する。帰国時に一年間の業務を報告書にして提出する。

・本格的な登山経験(国内のバリエーションルート、厳冬期の活動、海外の氷河を含む高峰登山等)並びに救助に関わる技術・知識を十分に有し、現に登山ガイド等の業務にフルタイムで従事していること。
※氷河登山経験を有することが望ましい。

・登山ガイドに求められる指導・統率能力、安全管理能力、資質を有していること。
→昭和基地及びその周辺の海氷上、氷河氷床上での行動において、自らルートを設定し、隊員の安全を確保できること。
→隊員の野外活動経験は不揃いであるため、特に一般登山者(初心者層)が対象の登山技術・知識に関する講習会の主催及び実施経験を十分に有すること。
→国内および昭和基地において、野外活動の安全管理・レスキュー体制の構築並びにカリキュラムを設定した上で隊員への安全教育・講習を行えること。
→仮に安全面の統率等で指導的役割を担ったとしても、自身は観測計画をサポートするための存在であることを理解できること。

・登山・クライミング・キャンプ用品に関連して、特定のメーカーに偏りのない、正確で幅広い知識を有すること。また、ハンディタイプのGPS機器操作に習熟し、得られたデータをPCの地図ソフト等で処理できること。

・越冬期間の前後において、内陸調査旅行(約3か月)に同行する可能性あり。

・装備品の管理や物品の調達、各種報告・データ整理について、PCを用いた事務作業ができること。具体的には、ワープロソフト、表計算ソフト、メールソフト、プレゼンソフト、地図ソフトを使って事務作業並びに連絡・調整・報告ができること。

・公益社団法人日本山岳ガイド協会認定登山ガイドⅢ以上の資格または同等の能力を有することを目安とする。

S-3
環境保全 1

出発前(国内)は業務に必要な機器・備品等の調達を計画的に行い、「しらせ」への物資搭載に備えて全て梱包を行う。また、例えば汚水処理装置など、取り扱いに習熟が必要な機器について訓練を行う。廃棄物の分別や収納容器の取り扱いについて、隊員に講習を行う。

昭和基地では、各観測・設営作業で発生する廃棄物、生活廃棄物及び過去の残置廃棄物の収集・分別・持ち帰りのための梱包・保管を行うとともに、汚水処理装置の運用・管理及び装置のメンテナンスを行う(越冬中の生活規模30人。夏期間の生活規模は最大120人ほどが目安)。
また、廃棄物埋立地の管理並びに埋め立て廃棄物の処理を行う。
これらについては国内向けに定期的な業務報告を書面で行う。

次隊への準備として、必要な物品の情報、持ち帰り廃棄物の諸情報を詳細にとりまとめて国内に報告する。次隊が昭和基地に到着した後は、実務を交えつつ業務の引き継ぎを越冬終了までに確実に実施する。帰国時に一年間の業務を報告書にして提出する。

・廃棄物処理、浄化槽設備、汚水処理設備、焼却炉運用等のいずれかについて専門的な実務経験を有すること。または、宿泊設備を有する山小屋など僻地施設の総合的な管理・運営経験を有し、現在も実務についているか、下水処理施設の維持管理業務に携わっていること。

・クレーン付きトラック、フォークリフト、パワーショベル等建設機械の資格を有し、操作に習熟していることが望ましい。

・昭和基地における廃棄物の分別(約30種類)や収納容器の組み立て・取り扱いについて、プレゼンソフトを用いて隊員向けの講習を計画的に実施できること。

・出発前の調達業務や越冬中の業務報告書作成等について、PCを用いた事務処理が滞りなくできること。具体的には、ワープロソフト、表計算ソフト、メールソフト、プレゼンソフトを使って事務作業並びに連絡・調整・報告が円滑にできること。

S-4