Arctic Environment Research Center

北極ニーオルスンNOW!! ~ニーオルスン基地から情報を発信します~

ニーオルスン基地を利用する国立極地研究所の研究者等からのメッセージをご紹介します。

ニーオルスンからのメッセージ

2024/8/26

あと数日残って作業を続けるメンバーもいますが、今夏のニーオルスンでの活動は概ね終了しました。帰りにロングイヤービンの町に立ち寄った際、大気が白く霞んでいることに気が付きました。この時期に霧以外の理由で視程が悪くなることは、非常に珍しいですが、今回はアイスランドで起きた火山噴火の影響がスバールバルにまで及んだことが原因のようです。
この日のロングイヤービンでは、もう1つ珍しいことがあり、海岸でセイウチを見かけました。最初はもしかして死んでいるのかと思いましたが、時々動いていたので、昼寝をしていただけとわかりました。
約1ヶ月の間、ご覧頂きありがとうございました。

2024/8/25

気象研究所の放射の研究チームが、ニーオルスンに設置されているGSAFという全天分光日射計の大幅なアップデート作業を行っています。GSAFは積雪のアルベド、積雪表面付近の積雪粒径、光吸収性不純物の濃度を測定する装置ですが、今回は氷点下でもより安定して運用できるように、可動する箇所を減らしたシンプルなデザインに変更したそうです。以前のGSAFよりも一回り大きくなって、存在感が増した気がします。

2024/8/23

気象研究所の研究者と共に、東ブレッガー氷河方面への再調査に出かけました。氷河からの融解水がものすごい勢いで流れ出ている様子を目の当たりにすることで、氷河が急速に縮小していることを改めて実感します。

2024/8/20

今夏のグルベバデット観測所でのエアロゾル観測を終了し、観測機材の撤収作業を行いました。次回の観測に備え、2台あるエアロゾル観測用のシェルターのうち、片方は室内に撤収し、もう片方には地吹雪等から守るためのカバーをかけました。
この日はノルウェー気候・環境省の一団がニーオルスンを訪問していましたが、夕食時に雑談をした青年が実は大臣であったことを後からインターネットで知って、大変驚きました。

2024/8/19

ニーオルスンでの研究生活を送る上では、服装に関して最低限のマナーを守ることが必要とされています。数日前からニーオルスンの共同食堂がある建物内に、ドレスコードに関する貼り紙が掲示されるようになりました。帽子、厚手の外出着、短パンや裸足のままでの食堂への立ち入りが禁止されていることを注意喚起しています。

2024/8/18

今夏の集中観測では、8月2日からツェッペリン山の麓にあるグルベバデット観測所にて、様々な手法によるエアロゾルの観測を実施してきています。エアロゾルの大きさや濃度の自動計測の加えて、エアロゾルの化学組成やDNAを分析するためのサンプリングにも毎日取り組んできています。

2024/8/16

ニーオルスン基地のすぐそばに、ホッキョクグマが現れました。ニーオルスンの居住区に入って来そうになったので、警備員が数回の信号弾による威嚇射撃(*安全な場所に誘導することが目的で、クマには直撃させていません)を行いました。最初は威嚇射撃に対してあまり反応がなかったのですが、最終的にはニーオルスンの居住区を避ける方向に歩いていってくれました。

2024/8/15

本日、在ノルウェー日本国大使らによるニーオルスン基地の訪問があり、ニーオルスン周辺のフィヨルドの視察に同行しました。ニーオルスン周辺の海域は、年間を通して比較的暖かいため、海氷があまりないのですが、今回の視察の際には氷河末端から海に流れ込んでいる氷の塊が数多くみられました。

2024/8/12

本日、ニーオルスン日本基地に滞在していた3名がニーオルスンでの仕事を終えて、無事に旅立ちました。一週間後に気象研究所から3名のメンバーが来る予定ですが、それまでは残った2名でエアロゾルの観測を継続していきます。

2024/8/11

海上・港湾・航空技術研究所等の研究チームが、日本基地に新たなアンテナを設置しました。このアンテナで日本の衛星「みちびき」からの電波を受信し、航空・船舶の安全な航法のための実証実験を行います。もし実験が成功すれば、北極域での航空機や船舶の安全性や野外調査時の測位精度も改善されるらしいので、乞うご期待!

2024/8/10

西ブレッガー氷河方面への調査に出かけました。西ブレッガー氷河由来の河川水は、前日に調査した東ブレッガー氷河由来の赤っぽい河川水とは異なる色をしています。

2024/8/9

ニーオルスンの近くにある東ブレッガー氷河方面への調査に出かけました。北海道大学と名古屋大学の先生と一緒に、氷河の表層や氷河由来の河川水に含まれる赤っぽい色をした物質のサンプリングを行いました。

2024/8/6

ニーオルスンは、1960年代始めまで、炭鉱で栄えていました。そのとき使われていたSLが残っています。ちょうどよいタイミングでオスのトナカイが現れました。

2024/8/4

基地から離れたStuphalletという湿地まで出かけました。植物が多いせいか、トナカイの数も多めです。研究対象になっているトナカイは首に識別マークがついています。

2024/8/2

久しぶりに晴天となりました。氷河の後退跡地にいる土壌微生物を調査するため、土壌を採取します。北海道大学の先生も同行し、エアロゾルに影響する可能性のある微生物を調べるために土壌を採取します。

2024/7/31

この時期になると花のシーズンも終わり、種をつけ始めます。写真の植物はタカネマンテマです。花の先端から種が成長してきています。

2024/7/29

約一年ぶりにニーオルスンへやってきました。東ブレッガー氷河から流れてくる川の水量は、例年よりも多い印象を受けました。

2024.7.29

北極ニーオルスンNOW!! 2024
今年も国立極地研究所の研究者がニーオルスン基地に滞在しています。現地の写真とメッセージが届いたので紹介します。

ニーオルスンの位置

ニーオルスンはノルウェー本土と北極点との間に位置するスバールバル諸島スピッツベルゲン島にあり、北緯78度55分、東経11度56分に位置します。

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 北極観測センター
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3 (交通アクセス) / E-mail:aerc-kikaku@nipr.ac.jp