田村岳史准教授が地球惑星科学振興西田賞を受賞

2023年4月12日

気水圏研究グループの田村岳史准教授が第5回地球惑星科学振興西田賞を受賞しました。

今回の受賞は、大島 慶一郎氏の推薦と、羽角博康氏・中村卓司氏のサポートを受け、「衛星観測に基づく海氷生産量の解明と全球海洋システム研究への展開」についての業績が評価されたことによるものです。

受賞理由(JpGUウェブサイトより抜粋)

田村岳史博士は極域海氷を対象に、極域海氷が全球気候に与える影響について数々の成果を挙げてきた。海氷生産量の見積に特化した「海氷厚アルゴリズム」の開発は特に顕著な成果である。このアルゴリズムを用いて衛星データから全球の海氷生産量マッピングに世界で初めて成功し、極域科学分野にブレークスルーをもたらした。また、氷河の底面融解過程の解明も世界的に大きな衝撃を与え、トッテン氷河沖が東南極の融解促進域として重要であることを突き止めた。東南極は西南極に比べて氷河融解の報告はほぼなかったため、この成果の注目度は大変高く、トッテン氷河沖については重点観測海域として、南極地域観測第X期6ヵ年計画の重点研究観測「過去と現在の南極から探る将来の地球環境システム」が計画され、国際南極科学委員会の下部組織SOOSからも米国、豪州、英国、独との国際共同観測プロジェクトが認定された。以上、田村岳史博士の研究は国内外のコミュニティに大変優れた業績として認められ、西田賞の受賞者に相応しいと判断される。

第5回西田賞受賞者のご紹介
西田賞について