中村卓司教授が南極研究科学委員会(SCAR)の副議長に就任

2024年8月31日

国立極地研究所の前所長で先端研究推進系の中村卓司(なかむら・たくじ)教授が、南極研究科学委員会(Scientific Committee on Antarctic Research、SCAR)の副議長(Vice President)に就任しました。

SCARは、非政府・非営利の国際学術機関である国際学術会議(ISC、International Science Council)傘下の委員会(課題別組織)で、1958年に創設されました。日本は設立当初からSCARに参加している12か国のうちのひとつです。国際極年(International Polar Year、IPY)など、南極の研究観測における国際共同プロジェクトの立案、推進、調整を担い、南極条約体制のもとで南極条約協議国会議(ATCM)や環境保護委員会(CEP)の要請に応じて科学的観点からの助言を行うほか、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や気候変動に関する国際連合枠組み条約(UNFCCC)にも情報を提供しています。

日本学術会議会員でSCAR日本代表の中村教授は、2017年から日本学術会議・地球惑星科学委員会・地球惑星科学国際連携分科会SCAR小委員会の委員長であり、また、SCARの主要組織である3つの科学グループのうちの1つ、物理科学グループの委員長(Chief Officer)を2022年から務めています。2024年8月にチリで開催されたSCAR代表者会議における選挙で副議長に選出されて、2028年8月まで任にあたります。なお、日本からのSCAR副議長の選出は、永田武・初代極地研所長らに続いて3人目となります。

中村卓司教授略歴

国立極地研究所 教授(2009年4月 - )
国立極地研究所 所長(2017年10月 - 2023年9月)
情報・システム研究機構 理事(2023年4月 - 2024年3月)

太陽地球系物理学科学委員会(SCOSTEP)理事(Bureau member)(2011年 - 2019年)
国際宇宙空間研究委員会(COSPAR)地球・惑星超高層大気と標準大気部会長(2012年 - 2021年1月)
南極研究科学委員会(SCAR)物理科学グループ委員長(2022年8月 - )