2024年10月4日
国立極地研究所は、北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)の一環として、2024年度に北極のイベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」を開催します。この冬は、大きく変化しつつある北極の永久凍土の世界をテーマにした企画展示を、南極・北極科学館で実施します。
北極に広がる永久凍土。地球温暖化で融けている、とよく言われていますが、その変化の実態は、そこに暮らす人々や地球全体の環境を文字通り足元から変えつつあります。中でも、東シベリアはユーラシアの永久凍土分布の中心地域。長年の現地調査で得られたさまざまな写真や映像から、変わりゆく永久凍土の世界をご紹介します。
会期:2024年11月20日(水)~2025年1月18日(土)
休館日:日曜日、月曜日、第3火曜日、祝日、年末年始(12/28~1/6)
場所:国立極地研究所 南極・北極科学館 展示室内
入館料:無料
※事前申込は不要です
アラス草原斜面の浸食で露出した地下氷
居住地に広がる凍土融解のポリゴン地形
飯島 慈裕(いいじま・よしひろ)
東京都立大学 都市環境学部 地理環境学科
北極の気候変化が、永久凍土や生態系・水環境などを変える影響に関する研究をしています。永久凍土は、地下に広がる見えない状態ですが、それがいったん融け始めると、地表面の様々な変化となって表れ、そこに住む人々にも大きな影響を与えています。日本ではあまり知られていない、永久凍土とはどのようなものか?永久凍土が融けるとはどういうことなのか?融けると何が起きるのか?について、今回の展示で実感していただければと思います。
阿部 隆博(あべ・たかひろ)
三重大学 生物資源学研究科
人工衛星データを用いて永久凍土の荒廃を可視化する研究をしています。特に東シベリアやアラスカなど、氷の量が多いところで不可逆的に進行する地形変化(サーモカルスト)を調べており、現地での調査もしてきました。本展示では、永久凍土が広がる世界と、そこに暮らす人々の生活について紹介しています。その中で、永久凍土の変化が人工衛星からどう見えるのか、についても展示していますので、皆さんぜひお立ち寄り下されば幸いです。
Copyright © National Institute of Polar Research All rights reserved.