タスマニア州のガイ・バーネット副首相が極地研を訪問

2025年12月2日

2025年11月27日、オーストラリア連邦タスマニア州のガイ・バーネット副首相ら州政府、ホバートの港などの南極観測関連事業者の組織であるタスマニアポーラーネットワーク、オーストラリア南極局(AAD)やタスマニア大学の研究者からなる9名の代表団が極地研を訪問されました。極地研は、AADおよびタスマニア大学とそれぞれ連携協定を締結して共同研究などを進めており、また、南極観測事業の海洋物理・化学などを実施する東京海洋大学の練習船「海鷹丸」は、南極海航海においてホバートを寄港地としています。

極地研からは5名が参加し、野木義史極地研所長から研究所について、伊村智副所長から南極観測についての説明を行いました。続いて、代表団からは、南極へのゲートウェイ都市として整備が進められてきたホバートの最新情報について、例えば、ホバート空港の拡張工事や空港に隣接する冷凍保管設備が完成したことについての紹介がありました。また、目前に迫った第五回国際極年(IPY-5)に向けた、海洋観測を中心とした具体的な共同研究プランについて議論されました。その後、極地研の広報展示施設である南極・北極科学館を見学されました。

この代表団との会合の前後には、両国の設営関係者による会合と、AAD及びタスマニア大学の研究者と日本の極地研究者による研究集会がハイブリッドで開催されました。設営関係会合には、日本から5名豪州から5名が、研究集会には、日本から8名豪州から5名が参加して、今後の設営・研究計画における協力などに関する活発な議論が交わされました。日本とオーストラリアの研究者間の交流は大変盛んで、今年7月には両国の南極研究者約80名が極地研に集まり、南極研究に関する日豪ワークショップが開催されました。また、来年2026年は、日豪友好協力基本条約署名50周年を迎えることから、今後一層の両国の連携強化が期待されます。

バーネット副首相(前列右から3人目)ら、タスマニア州政府関係者との記念撮影

南極・北極科学館の展示について説明を受けるバーネット副首相(中央)