サイエンストーク「トナカイが魚を食べる!?:永久凍土がつくる環境と人のくらしと生きものたち」を開催します!(8月10日、高校生以上を推奨)

2024年7月10日

国立極地研究所は、北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)の一環として、2024年度に北極のイベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」を開催します。8月は、国立極地研究所 南極・北極科学館で公開予定の企画展示「キョクホクの大河」の展示制作者によるサイエンストークを実施します。事前申し込みの上、ぜひご参加ください。

ArCS II イベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」
サイエンストーク「トナカイが魚を食べる!?:永久凍土がつくる環境と人のくらしと生きものたち」

シベリアでは草食性の強いトナカイが魚を食べます。といっても、トナカイが自ら魚を捕食するわけではなく、トナカイ牧夫たちがトナカイに川や湖で捕った魚を与えて、放牧しやすくしています。

今回は、西シベリアに暮らすハンティの独特な生業(せいぎょう)活動を取り上げ、極北環境への適応のあり方や、人間と家畜との関係だけに閉じない、魚をふくめた生物たちの共生についてお話します。

日時:2024年8月10日(土)14:00〜15:30
内容:西シベリアに暮らすハンティの生業を取り上げ、極北環境への適応の特徴についてお話します。
講師:大石 侑香(神戸大学)
会場:談話室サザンクロス(国立極地研究所 南極・北極科学館隣り)
対象:興味のある方はどなたでも(高校生以上を推奨)
定員:先着30名(事前申し込み制)
参加料:無料
主催:国立極地研究所
申込:2024年7月11日(水)12:00より、参加申込フォームにてお申し込み受け付けを開始します

講師よりメッセージ

大石 侑香
(おおいし・ゆか)

専門は文化人類学です。自然と人との相互作用に関心があり、人間が寒冷な北極の環境にいかに適応してきたか、近年の気候変動にどのように適応しているかについて研究しています。シベリアには40以上の先住民が暮らしており、そのひとつである西シベリアのハンティのところに滞在し、彼らの社会・文化について調査してきました。冬にはマイナス40℃以下が続く極寒の大地で、ハンティは狩猟採集や漁撈(ぎょろう)、トナカイ飼育等を複合的に営んで暮らしてきました。自然と常に向き合う彼らの暮らしから、多様な自然と人との関係を学び、自然と遠く離れた我々のくらしを批判的に考えていきたいと思います。

トナカイと大石(2011年、タチヤーナ・モルダノヴァ氏撮影)

トナカイ橇で凍った湖上を駆ける(2011年、大石撮影)

魚を食べるトナカイ(2011年、大石撮影)

家畜トナカイ群(2016年、大石撮影)

サイエンストーク「トナカイが魚を食べる!?:永久凍土がつくる環境と人のくらしと生きものたち」を開催しました(8月10日)!

2024年8月16日

2024年8月10日(土)に、サイエンストーク「トナカイが魚を食べる!?:永久凍土がつくる環境と人のくらしと生きものたち」を開催しました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
北極イベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」は、今後も年間を通して多彩なアウトリーチイベントを予定しております。皆さまのご参加をお待ちしております!!