2024年11月1日
国立極地研究所は、北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)の一環として、2024年度に北極のイベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」を開催します。12月は、11月より南極・北極科学館で公開予定の企画展示「変わりゆく永久凍土の世界」の展示制作者によるサイエンストークを実施します。事前申し込みの上、ぜひご参加ください。
シベリアには、広大な森林(タイガ)と地下の凍った大地(永久凍土)が広がっています。これまでそれらは絶妙なバランスで保たれてきたのですが、2000年代からの継続的な現地調査で、永久凍土が地表付近から融ける現象が現れてきました。それは、地形や生態系、水の流れなどを変えて、そこに住む人々の生活にも大きな影響を与え始めています。永久凍土が融けるとどうなるのか?現地で体験した不思議な現象の数々をお見せしながら、一緒に考えていきましょう。
日時:2024年12月7日(土)14:00〜15:30
内容:シベリアの永久凍土の融解によって、環境や生態系、人々の生活がどのように影響を受けているのかをみんなで考えます。
講師:飯島 慈裕(東京都立大学)
会場:談話室サザンクロス(国立極地研究所 南極・北極科学館隣り)
対象:興味のある方はどなたでも(高校生以上を推奨)
定員:先着30名(事前申し込み制)
参加料:無料
主催:国立極地研究所
申込:2024年11月1日(水)12:00より、参加申込フォームにてお申し込み受け付けを開始します
定員に達したため、申し込み受付を終了しました。
飯島 慈裕
(いいじま・よしひろ)
私の専門は自然地理学(特に気候学)です。世界の様々な地域に特有の気候に応じて、自然と人々はどのように関わっているのか、現在の気候変化はそれらの長期的な関係をどう変えているのかについて研究しています。中でも主な研究対象が、シベリアの永久凍土です。私が初めてシベリアに出かけたのは20年以上前の2003年のこと。その時は、意外と秋には雨がよく降るな、と感じていたのですが、調べてみるとそのような気候に変わってきたのは最近のことでした。そこから続けて調査に通っているうちに、永久凍土が表層から融け始めて地形が陥没したり、新しく池ができたりなど、目に見える変化がいたるところに見えてきました。気候の変化で永久凍土の環境が大きく変わる有様をどうしたら多くの人に知ってもらえるか、それが研究のモチベーションになっています。
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