DROMLANの活用

昭和基地が位置する東南極のDronning Maud Land地域に基地を持つ12か国が、隊員移動、物資輸送、緊急医療搬送用の航空機共同チャーターや、各基地滑走路の整備や給油支援など、1か国ではできない体制を互いに補いながら維持している航空網をDROMLAN*と言います。運航は、南アフリカのケープタウンにあるAntarctic Logistics Centre International(ALCI)社が行っています。ケープタウンと南極にあるノボラザレフスカヤ滑走路(南アフリカの航空サービス提供会社ALCIが運営)の大陸間フライトは約4200kmを6時間弱です。

大陸間フライトには主に大型ジェット機・イリューシン76(IL-76)が使われ、ノボ滑走路から各国の基地を結ぶ大陸内フライトにはバスラ―機やツインオッター機といったプロペラ機が使われており、ノボ滑走路から約1000km離れた昭和基地までは約4時間の飛行となります。

近年は、「しらせ」で移動する本隊よりも先に昭和基地に入る先遣隊や、昭和基地から離れたエリアで観測を行なう別動隊を編成するなど、日本の観測隊もDROMLANを積極的に利用し、目的に応じた機動的な観測を行なっています。

また、昭和基地沖の海氷上に設置した滑走路に給油に訪れる外国隊との交流は、越冬隊にとってささやかな国際親善にもなっています。

*DROMLAN:Dronning Maud Land Air Network/ドロンイングモードランド航空網

ノボ基地の滑走路に降りたIL-76

昭和基地沖の海氷上滑走路に飛来したバスラー機