インフラサウンド観測

課題番号:AMG1004
代表者:金尾 政紀(国立極地研究所)

観測目的

インフラサウンド(周波数20Hz以下の可聴下域の長周期音波)は、大気中であまり減衰せずに数千km以上の長距離を伝搬する特性があります。そのために電離層-大気-海洋-雪氷-固体地球、すなわち超高層大気から地殻表層までのあらゆる層を繋ぐ「波」として注目されています。

インフラサウンドのモニタリング観測により、対流圏~成層圏大気の諸現象をはじめ、オーロラや隕石落下による衝撃波、南半球の火山噴火、波浪・津波・地震による振動、温暖化に伴う氷震の発生のしくみ、など様々な波の検出が期待されます。

観測内容

昭和基地でのインフラサウンド連続観測は、国際極年IPYの一環として49次隊より開始されました。連続観測しているデータはインテルサット回線を介して国立極地研究所へ送られ、リアルタイムでアーカイブ・公開されています。54次隊からは、地震計室の周辺に新たに3台によるアレイ観測を開始しました。これにより、インフラサウンド波の到来方向の検知が可能になりました。

昭和基地のインフラサウンド観測点(南側より大型アンテナ方面)

昭和基地のインフラサウンド観測点(管理棟方面を望む)

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