南極氷床の質量収支モニタリング

課題番号:AMP1002
代表者:中澤 文男(国立極地研究所)

観測目的

南極大陸は膨大な氷(氷床)でおおわれており、その質量の増減(質量収支)を明らかにすることで、将来の地球規模気候変動や海水準変動の予測に役立ちます。この質量収支の一つの要素が氷床表面の質量収支であり、この観測データを長期的に蓄積することにより、気候変動との関連がより明確になります。様々な地球観測衛星によって氷床表面の質量収支が広域に観測されていますが、実測値と比較することで、その確実性が担保されることになります。すなわち、南極氷床の質量収支観測が継続して実施されていることは、将来の地球環境予測への確実性の向上に貢献し得ます。

観測内容

南極氷床の質量収支観測では、沿岸S16地点から内陸ドームふじ基地までの氷床上ルートにおいて雪尺測定と雪尺網・雪尺列観測、及び表面積雪サンプリング、自動気象観測装置AWSのメンテナンスを行っています。また、沿岸域での観測として、昭和基地からとっつき岬間の任意の地点で海氷厚と海氷上の積雪深測定、とっつき岬からS16地点までのルート沿いに雪尺測定、表面積雪サンプリングを実施しています。

内陸氷床上ルートでの雪尺観測とメンテナンス

防塵服を装着しての表面積雪サンプリング

(左)H128に設置した無人気象観測装置(AWS)(右)南極氷床内陸に無人気象観測装置(AWS)を設置した地点