海底地形調査

担当機関:海上保安庁

地球の表面は様々な力を受けて形成されており、海底地形調査により得られる海底地形データは、大陸・海洋地殻の進化過程の解明に関する研究や、氷河による浸食や堆積環境などの古環境に関する研究の基礎資料として重要なものです。

南極周辺海域においては、水深データ取得のための水路測量の実施と海図の刊行が国際水路機関南極地域水路委員会(HCA:Hydrographic Commission on Antarctica)の枠組みにおいて位置づけられており、加盟各国がそれぞれの分担海域の水路測量の実施及び海図の刊行を加盟国の責務として実施しています。

南極観測船「しらせ」搭載のマルチビーム測深機は、海底地形を面的に調査することができ、従来の手法に比べ飛躍的にデータの密度が向上し、詳細な海底地形が把握できることから、今後もこれを用いた水深データを取得し、地球科学の基盤情報として供するとともに、海図の水深データの整備により南極海域における船舶の航行安全の確保を図ります。

海底地形調査

海底地形測量及びXCTD観測

「しらせ」船底装備のマルチビーム測深機を使い、海底地形測量を行います。また、水中音速度補正のため、XCTDを用いた水温・塩分の鉛直変化の計測並びに必要に応じて水中音速度計による音速度の鉛直変化の測定を行います。

マルチビーム測深機の音波による測定のイメージ

南極海でのXCTD観測の様子(撮影:JARE63 佐藤弘康)

水深データを補正中(撮影:JARE61 寺村たから)

右のモニターに表示されているカラフルな図が、得られた海底地形データの暫定値
(撮影:JARE61 寺村たから)