2022年4月14日
南極観測における設営活動をより安全かつ効率的、環境に配慮したものとするための技術や情報の発表、意見交換の場として「第19回南極設営シンポジウム」を開催致します。
本シンポジウムでは、各界の様々な取り組みについて発表していただき、南極観測の設営分野での新たな可能性について考えて行きたいと思っています。
オンライン開催となりますが、南極の設営に興味をお持ちの多数の方々のご参加をお待ちしています。
日時:2023年5月16日(火)13:00〜16:55
開催方法:Zoomウェビナーによるオンライン開催
主催:国立極地研究所
参加費:無料
演題 番号 |
演題 | 発表者(所属) | 発表内容 | 時間 |
---|---|---|---|---|
開会挨拶 中村卓司(国立極地研究所所長) | 13:00~ 13:05 |
|||
1 | 南極昭和基地に於ける事故防止の為の安全意識調査の提案 | 北川隆大(株式会社Kグランドサービス) | 南極観測隊員は、様々な職種の者が共同で設営等の作業を厳しい自然環境下で実施する。そのため、「安全を優先する」という意識の共有、つまり安全文化の醸成が大切である。そこで、意識調査を実施して問題点を把握し、意識の共有化を図ることを提案する。 | 13:05~13:20 |
2 | 南極におけるUAV活用の提案 | 原口諒平(株式会社ツバサ・フロンティア) | 世界ではドローンを利用した物流が始まっています。弊社の国内事例の紹介とともに、南極地域におけるドローンによる物資輸送を提案します。 | 13:20~13:35 |
3 | 日本古来の技術を活用した省エネ発熱シート | 高松伸吾(株式会社太陽) | 発熱し暖をとる、発熱し雪凍対策に活用する技術の開発は常に進化しています。 そこに日本古来の技術【和紙】と【炭素繊維】を融合させ、和紙を面で発熱させる熱効率の良さと、省電力で発熱できる省エネ性も兼ね備えた発熱シートを開発しました。 既に北海道や北陸等の寒冷地でロードヒーティングや床暖房として電気使用に制限のある南極観測基地での活用にも期待ができます。 |
13:35~13:50 |
4 | 昭和基地への小型風力発電機SD6導入について | 漆谷敏郎(SDグリーンエナジー株式会社) | 本年1月より昭和基地において運用を開始した弊社製小型風力発電機SD6の発電実績及び次年度に向けての課題考察。 | 13:50~14:05 |
休憩 | 14:05~14:20 | |||
5 | 昭和基地建物の暖房用エネルギー消費に関する研究 その2 建物別の月間暖房用エネルギー消費原単位と気象環境との関係 | 安部剛(錢高組技術研究所) | 第56次、第57次観測隊が消費した暖房用燃料(JP-5)に関して、建物別の月間暖房用エネルギー消費原単位を求めた。また、平均気温、平均風速、日照時間、全天日射量の気象条件が月間暖房用エネルギー消費原単位に及ぼす影響を明らかにしたので報告する。 | 14:20~14:35 |
6 | 夏期隊員宿舎の仮組立の実施について | 福田真人((株)ミサワホーム総合研究所) | 65~67次隊で建築予定の「夏期隊員宿舎(2,3階部分)」の仮組立を2023年1月~3月で実施した。「極地での建設作業」、「しらせでの輸送」等を考慮し、検討した納まり・施工方法について発表する。 | 14:35~14:50 |
7 | ドームふじ観測拠点IIでの内陸居住モジュールの連結作業について | 堀川秀昭((株)ミサワホーム総合研究所) | ドームふじ観測拠点IIに輸送した内陸居住モジュール2台の連結作業について、写真や動画を交えて発表する。連結後の居住性についても紹介する。 | 14:50~15:05 |
8 | ドームふじ観測拠点IIでの掘削場建設について | 永木毅(国立極地研究所) | 2022年12月~2023年1月に行った、ドームふじ観測拠点IIにおける掘削場建設工事の報告と、今後の掘削施設の建築計画を紹介する。 | 15:05~15:20 |
9 | 南極30cmサブミリ波望遠鏡保存のための断熱と保温 | 中井直正(関西学院大学) | 南極地域観測第10期でドームふじ観測拠点IIに設置予定の30cmサブミリ波望遠鏡を冬季に保存するための断熱と加熱保温について検討したので報告する。 | 15:20~15:35 |
休憩 | 15:35~15:50 | |||
10 | 南極昭和基地における次世代技術人材にへのサポートを目指したDX活動 | 西川禎昭(ヤンマーエネルギーシステム株式会社) | 南極昭和基地へのヤンマーにおける技術員派遣を1984年より実施している中、今後の技術者支援、育成を含めDX(Digital Transformation)による次世代対応と可能性をPoC(Proof of Concep)にて現地評価と今後に付いてご紹介いたします。 | 15:50~16:05 |
11 | 非常通信関係法令に基づく昭和基地の通信手段の確保について | 小林正幸(南極OB会アマチュア無線クラブ) | 高度化する昭和基地の通信環境は科学データの交換はもとより隊員にとっては 安心・安全な生活を維持するために不可欠のものである。有事の際の通信手段の確保について、関係法令の基づく通信体系の整備を提言する。 | 16:05~16:20 |
12 | ACM導入による衛星通信増速実証実験の結果について | 三井俊平(KDDI株式会社) | 第46次隊から本格運用されたインテルサット衛星通信は、当時1Mbpsと狭帯域であった。その後2Mbps、4Mbpsと増速され、第63次隊にてAdaptive Coding and Modulation(以下、ACM)を導入したことにより最大7Mbpsに増速された。本発表では、ACMの仕組み、昭和基地での実験結果、導入効果の発表を予定している。 | 16:20~16:35 |
13 | 昭和基地におけるローカル5G実証実験について | 岡田雅樹(国立極地研究所) | NECネッツエスアイ(株)との共同研究の一環として、第63次観測隊より「昭和基地におけるローカル5G通信システムの実証実験」を開始した。昭和基地主要部における通信環境および越冬期間中を通じて活用状況について報告する。 | 16:35~16:50 |
閉会挨拶 野木義史(国立極地研究所副所長) | 16:50~16:55 |
国立極地研究所 南極観測センター 設営グループ
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
電話:042-512-0784
E-mail:setsuei-sympo@nipr.ac.jp URL:https://www.nipr.ac.jp