第63次南極地域観測隊冬期総合訓練を実施

2021年3月8日

国立極地研究所では3月1日(月)から3月5日(金)の5日間にわたり、長野県東御市湯の丸高原において第63次南極地域観測隊員候補者および同行者候補者を対象とした冬期総合訓練を実施しました。

本訓練は、講義や雪中行動を通して南極観測や63次隊の概要を理解するとともに、南極のフィールドにおける安全行動に必要な知識や基礎技術を習得することを目的として、牛尾収輝(うしお しゅうき)63次隊長、澤柿教伸(さわがき たかのぶ)同副隊長、隊員候補者、および同行者候補者ら約80名が参加しました。

訓練の開催にあたり、新型コロナウイルス感染症対策として、以下のことを実施しました。

訓練中は、2日目の午後から荒天に見舞われ当初スケジュールからの内容変更もありましたが、南極観測における行動変更の訓練も兼ねることができ、充実した5日間となりました。

訓練1日目(3月1日)

開会・オリエンテーション
講義:「日本の南極観測」
講義:「第63次南極地域観測隊について」
講義:「南極におけるフィールドワークについて」
講義:「訓練中の通信確保について」
個人貸与装備説明・配布・試着

講義を受ける参加者

「日本の南極観測」の講義をする中村所長

「第63次南極地域観測隊について」の講義をする牛尾隊長

「第63次南極地域観測隊について」の講義をする澤柿副隊長

個人貸与装備配布

個人貸与装備試着・確認等

訓練2日目(3月2日)

講義:「フィールドワーク訓練と装備の準備、ロープワークについて」

フィールドワーク訓練①
・装備の使い方
・動滑車を使用した救助方法
・負傷者搬送訓練
・ツェルトの使用方法
・テント設営・テント生活の注意点

負傷者搬送訓練

ロープワーク講習

装備の使い方

ツェルト(簡易テント)の使用法

テント設営・テント生活の注意点

訓練3日目(3月3日)

フィールドワーク訓練②
・湯ノ丸山往復
・雪上歩行訓練

フィールドワーク訓練③
・クレバス転落時を想定したロープ登行訓練
・負傷者搬送訓練
・クレバス転落時を想定した動滑車による救助訓練

講義:「ルート工作について」
講義:「野外観測時に起こりえるアクシデントとその対応」

湯ノ丸山登山

ロープ登行訓練

動滑車を使用した救助法訓練

負傷者搬送訓練

負傷者搬送訓練

訓練4日目(3月4日)

Aグループ

ルート工作訓練

海氷上を想定したルート工作訓練

海氷上を想定したルート工作訓練

Bグループ

フィールドワーク訓練④
・アイゼン・ピッケルの使い方
・クレバス転落時を想定した脱出・救助訓練(訓練③の応用編)
・負傷者搬送訓練

装備返却
フィールドワーク訓練の振り返り・講評

氷河上等においてロープを結びあった仲間がクレバスに転落した際の停止法訓練

クレバスへの転落を停止した後の雪面上での支点の作り方及び動滑車を使用した救出法訓練

クレバスへの転落を停止した後の雪面上での支点の作り方及び動滑車を使用した救出法訓練

訓練5日目(3月5日)

講話:「南極観測隊に期待すること」
講義:「隊員決定に向けて」

隊長挨拶・閉会
スノーモービル訓練(一部の候補者のみ)

「南極観測隊に期待すること」の講話をする野木南極観測センター長

スノーモービル訓練

スノーモービル訓練

関連リンク

第63次南極地域観測隊長・副隊長の決定について