筑波大学附属中学校で南極教室を開催しました

2022年6月15日

国立極地研究所は、2022年6月8日に筑波大学附属中学校で「南極教室」を開催しました。
「南極教室」は、日本国内の児童・生徒が南極・昭和基地で活動を行っている南極地域観測隊員とリアルタイムで交信することにより、地球環境や地球の歴史、さらには宇宙の謎にまで迫る南極観測の現在を知ってもらい、南極を通じて地球や宇宙のことを考えてもらうことを目的として2004年に開始した取り組みです。

開催日時:2022年6月8日(水)14:15~15:00
開催場所:筑波大学附属中学校 講堂
学校側参加者:筑波大学附属中学校1年生2クラス、3年生 280名
昭和基地側出演者:第63次南極地域観測隊 澤友歌隊員、佐藤幸隆隊員、堤雅貴隊員、三井俊平隊員、金重真実隊員、澤柿教伸越冬隊長、ほか数名

参加した生徒さんのご感想など

※実施後に届いた感想文から抜粋しています

南極に行くミッションとして、ドリルを使って100万年前の氷をとるということがすごいと思った。100万年前の氷が今でも残っていてその時代の気温を推測できるということが面白いと思った。また、南極はマイナス40度くらいあって、地球温暖化で2度くらい上昇しても氷が溶けないということになるほどなと思った。また、寒いから動物が死んでも骨にならず、10000年前の死骸も生々しい肉がついたままということもとても面白い話でした。(1年生)

東京から14000キロメートルも離れている南極と生中継して、隊員の方々のお話を聞くことができるという貴重な体験をさせて頂きました。南極の氷に何千年前の空気が閉じ込められていると聞きとても興味深かったです。南極の氷に大昔の謎が隠されているかも知れないと思うとワクワクします!30年前より気温があまり上がっていないことに驚きました。昭和基地の中の隊員たちがくつろぐ場所やバーがあってとても面白いなとおもいました。資料やパンフレットも大変分かりやすく読みやすかったです。今の季節が極夜で一日中暗い生活がどんなものかとても気になりました。長い時間太陽を見れず太陽のひかりを浴びていないとわかり、僕だったらそんな生活は耐えることができるかわかりません。澤さんの真っ暗な空に映るオーロラの写真がとても綺麗で感動しました。あんなオーロラを見ることができるのならぜひ一度自分も南極に行ってみたいなと思いました。(1年生)

生活についても、研究についてのお話もとても印象的だった。生活面では、南極は簡単に行ったり帰ってきたりできるところではないので、運ぶ物の多さに驚いた。1年間の滞在となると、食料は1人1トン、ゴミの持ち帰りは全部で約200トンであると知り、まさかトン単位だとは思っていなかったため驚いた。また、ワクチンや隔離により、コロナの心配がなくマスクなしの姿がとても記憶に残った。研究面では、南極だからこそ調べられたりわかることが様々あるのだなと実感した。他にはどんな研究がされているのか色々調べてみたい。(3年生)

私は今回、南極教室を通して、南極の凄さを知りました。今回、南極教室の授業を受ける前は南極をとても遠くに感じていましたが、事前学習を行なったり、中継で現地の隊員さんのお話を聞いたりすることで、南極という今まで知らなかった世界が沢山見えてきて、とても楽しかったです。南極というと、自然が綺麗でというイメージしか今までなかったのでその豊かな自然が私たちに様々な事を教えてくれる事に驚きました。一番印象に残ったのは、氷床掘削についてです。南極の奥深くに眠っている何万年、何十万年も前の氷の空気の二酸化炭素濃度や気温の変化を知ることで未来のことが予測できる、ということに衝撃を受けました。また二酸化炭素濃度が現時点で昔より1番高いという事を知り、地球温暖化が場所場所によってはより深刻な状況になってしまう事を改めて知りました。南極は海、空、陸どの分野でも研究することができ、現状をもとにこれからの方針を決めていく大事な場所だということが分かりました。(3年生)

南極教室を通して、事前学習も含めてたくさんのことを学ぶことができました。南極の自然や観測隊の方々の生活など興味深いことはたくさんありましたが、その中で私が最も印象に残ったのは、南極での大掛かりな研究は全員で行うということです。南極に来ている観測隊の方々はそれぞれ職業も違い、南極で取り組んでいることも違うはずなのに同じ「観測隊」として研究に取り組み、研究を手伝っているということに驚きました。実際の中継でも観測隊の隊員の方同士の仲の良さが伝わってきて南極での生活がとてもすてきだと感じました。南極はどの国の土地でもない平和な場所で、コロナウイルスの影響も受けていなくて、その生活を知り、自分たちの今の生活を振り返るきっかけとなりました。(3年生)

今回は素敵な時間をありがとうございました。研究の面でも、まだ解明されていないことが多いと思いますが、とても期待しています!!私も将来何かを研究したいと思っているので、そのような人達がどのような思いや意思、環境で活動しているのかを知ることが出来て良かったです。これからも頑張ってください(3年生)

会場の様子

昭和基地の様子