地震波・インフラサウンド計測による極域表層の環境変動の解明

課題番号:AP0935
代表者:金尾 政紀(国立極地研究所)
実施期間(隊次):61次、62次、63次

リュツォ・ホルム湾域で地震計とインフラサウンド計による連続観測を行い、取得データから様々な励起源をもつ可聴下周波数帯域(数10~0.001Hz)の波の伝播特性を研究します。具体的には、沿岸露岩に展開している大小3種類のアレイ観測網を用いて、極域の表層環境変動に関連した波源の到来方向や震源位置、また発生メカニズムの推定を行います。

地震波からは、氷床後退や氷河・海氷の流出に伴って起こる「氷震」、海洋変動に伴って起こる地球表層の「脈動」に焦点を当てた研究を行います。またインフラサウンドからは、南大洋の波浪変動や湾内の海氷の季節・経年変化に伴う微気圧変動の解析を行います。さらに氷河崩落・ブリザード・オーロラなど極域での特徴的な現象の起こり方についても、これらの波を用いて調べています。

このように、極域における固体-氷床-海洋-大気のお互いの関係により起こる振動現象を調べることで、気候変動に伴う表層環境の数年単位での変動が明らかになると期待されます。

ラングホブデ雪鳥沢に新規設置したインフラサウンドセンサー(木箱内、JAEE60)

ラングホブデ雪鳥沢に新規設置した収録システム(太陽電池と保温箱、JARE60)

スカーレン大池西に新規設置したインフラサウンドセンサー(木箱内、JARE60)

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